「たびねす」に、私のクロアチアの世界遺産ドゥブロヴニクの記事がアップされました。
ドゥブロヴニクを望むスルジ山からの写真撮影技法という独自の視点から書いていますので、ぜひ、ご覧ください。
どうぞよろしくお願いします。
(29)眺望絶佳!世界遺産ドゥブロヴニクを望むスルジ山で撮影を楽しむ
http://guide.travel.co.jp/article/17196/
さて、今回、アンカラやイスタンブールでテロがあり、ベルギーのブリュッセルでも関連した大規模テロがありました。
皆様方には、ご心配をおかけしました。
無事帰国祝いのお言葉や、トルコの状況に関する御質問がメール&コメントでありましたので、レポートさせていただきます。
まず、今年に入ってからのトルコでの主なテロを列挙しておきます。
1/12 イスタンブールの観光地スルタンアフメット地区で自爆テロがあり10人死亡
2/17 アンカラの中心官庁街で軍用車両を狙ったテロがあり28人死亡
3/13 アンカラの都心クジュルライ広場近くでテロによる大規模爆発があり37人が死亡
3/19 イスタンブールの繁華街イスティクラル通りで自爆テロがあり5人が死亡
なお、3/22 ベルギーのブリュッセルで起きた大規模連続テロ事件についてもトルコのテロ事件と関連するとする報道もあります。
↓日本の外務省によるリスクマップよりトルコを抜粋表示(2016.3.30現在)

トルコではこれまで日本人観光客は年間8万人くらいありましたが、昨年来のテロで約8千人と10分の1に激減しており、今回のアンカラとイスタンブールでのテロでさらに減少するものと予想されます。
トルコの主要産業のひとつである観光業の痛手は大きく、ホテル・レストラン・土産店・絨毯店・旅行社・観光バス運転手業・ガイド業などその影響は測りしれません。
もちろん、観光業関係だけでなく、他のビジネスにも影響があるでしょう。
トルコは風光明媚で世界遺産などの観光名所が非常に多く、良いホテルや温泉プール・ハマム(岩盤浴やアカスリができるトルコ風浴場)などが整備されており、さらに食事も美味しく親日的なところから、日本人に大人気の観光地であっただけに非常に残念なことです。
今のところ、人口の少ない田舎の遺跡や観光地は、テロの現場ではないので、さほど危険な雰囲気はしなかったです。
テロで狙われているのは、人の多く集まる大都市のようです。首都のアンカラやトルコ最大の都市イスタンブールは主たる標的となっています。(それとは別にトルコ南東部シリア国境などは渡航中止勧告地帯です:上記リスクマップ参照)
観光地で気づいたのは、これまで多かったドイツ人団体観光客が全く見当たらなかったことで、これは先般イスタンブールでドイツ人団体を狙ったテロが行われたからです。
全般的に観光客は減少していましたが、中国人・韓国人・マレーシア人・アラブ人などの観光客は比較的多かったです。日本人観光客は目立たないものの各地で少しずつ出会いました。
トルコの観光地では多くの警察官やジャンダルマ(準軍事組織の国家憲兵)が警備しており、私服警官らしき人もよく見かけました。
↓イスタンブールで警戒にあたる警察(車窓より撮影)

ジャンダルマについては、自動小銃を携行警備しており、さすがの私も撮影できなかったので、ウィキペディアより写真をお借りして下に表示させていただきます。

トルコでは、この半年の間にテロで犠牲になった人は約190人にのぼるそうです。
エルドアン大統領は3月21日、「トルコは史上最も大きく残忍なテロ攻撃の波と向き合っている。軍や警察、諜報機関などあらゆる能力を結集し、テロ組織やその背後にいる者と戦いを続けている。短期間で成果が出ると信じている」と述べました。
検問も多く、国を挙げてテロ対策に力を投じていることは、各地で実感できました。
トルコ総領事館と警察本部の通達である
「テロ等への注意喚起」 によれば、ネヴルーズ集会の時期に大都市において地下鉄・メトロバス等への攻撃や自動車爆弾によるテロの危険性が高まるとことが指摘されていました。
今回のテロに関係する日本の外務省のスポット情報は、
こちら。
観光場所の実態ですが、有料入場施設では、手荷物検査のある所が多かったです。
例えば、イスタンブール観光の中心地である、アヤソフィア寺院やトプカピ宮殿では、厳重なセキュリティーチェックがあり、手荷物は空港と同じようにX線で調べられます。
そこで内部に入場してしまえば、安心してゆっくり観光できます。
セキュリティーチェックについては煩わしく感じる方もおられますが、こうしたチェックがあるほうが安全面で良いと思いました。
もっともそこに至る交通機関や人が多く集まる場所を通過する時は、常に警戒を要します。
少し高級なクラス以上のホテルになると、ホテルの入口にセキュリティーチェックがあります。
↓イスタンブールでのホテルの入口

↓ホテルの荷物用エレベーターにもスーツケース等を透して調べるセキュリティーチェックあり

したがって、アンカラやイスタンブールといった狙われている大都市であっても、ホテル内では安心して休むことができます。
私はこれまで、ホテル到着後は、カメラひとつ持って近辺の夜の街歩きや徘徊スナップを楽しんできたのですが、今回は夜間の外出はやめました。
これは、もちろん、テロを避けるためでもありますが、私のような怪しい外国人が夜の町を彷徨していると不審な人物として警察やジャンダルマに尋問される可能性が高いからです。こんな時期にトルコ語を喋れない人間がトラブルに巻き込まれては大変です。
中型以上のホテルでは、内部にハマムや温水プール・フィットネスジム設備がありますので、夜の街歩きが出来なくとも、夕食後の時間をホテル内で有意義に過ごすことができます。
私も夜は、プールで泳ぐかフィットネスジムで身体を動かすように心がけました。
また、イスタンブールでは町の夜景が魅力なのですが、ホテルと車窓から撮る以外は、今回は夜景撮影を断念しました。
もっとも、前回トルコに来た時には、夜景を主に撮影していますので、それについては詳しくは
こちら を御覧ください。
↓前回、2011.10に撮影したアヤソフィア寺院の夜景
考えてみれば、前回、上の夜景写真を安全に撮影できた場所が、まさにドイツ人観光客が犠牲になったテロの実行現場となったので、戦慄を覚えました。
たった4~5年でこのように状況が変化してしまったのですね・・・
なお、テロの状況については、ホテルのTVのニュースなどで確認していました。
↓ブリュッセルのテロを伝えるCNNニュース

■■■■結論■■■■
テロに負けないようベルギーやトルコを応援したいのですが、今現在は、まだテロの可能性があるので、
ベルギーやトルコの旅行はオススメできる状況ではありません。
確率的には遭遇する可能性は低いかも知れませんが、現時点の自爆テロというのは
自力で避けがたい危険性があり、一度でも遭遇してしまえば最悪の結果を招きます。
安心して旅するためには平和が前提となります。トルコは、テロを除けば政情不安でもなく普通の意味での治安が悪いわけでもありません。人は親切で優しく、歴史遺跡が多く、風光明媚で景観も変化に富んでいます。テロさえ無ければトルコは本当に素晴らしい場所なのです。
またいつか、テロの恐怖が消えたら、トルコを訪問し、ゆっくりと旅して、じっくりと散策してみたいものです・・・
トルコという国は、古来より東西文明の交差点として幾多の歴史的現場となってきました。
現代でも、イスラム世界とヨーロッパ世界の境界上に位置することから、いろいろな面で非常に苦労しています。
観光資源が豊かで親日的なトルコという国に、再び平安が訪れ観光客が安心して楽しめる時が来ることを願ってやみません。

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