模糊の旅人
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2015年 09月 29日 |
近所の公園や池などで、時間があれば散歩を兼ねて野鳥や昆虫を観察しています。
このブログでは、旅写真が中心なので、どうしても日々の散歩写真のアップが後回しになってしまいます。

そろそろ秋冬の野鳥シーズンがはじまりますので、それまでにということで、今年の春~秋に撮った身近な野鳥の写真を、まとめて掲載してみます。


今日は、コシアカツバメです。
普通のツバメより数が少なく、体型もやや大きく、腰の部分が赤っぽいので和名コシアカツバメといいます。
燕尾が非常に長く、胸部に縦縞が入っているように見えます。

西日本に多い夏鳥で、ツバメより大型の巣をつくります。土と枯れ草で固めた出入り口が細長い壺状巣なので、トックリツバメと呼ぶ地方もあります。

ある民家の軒下に、巣を作っていましたので、許可を得て撮影させてもらいました。
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巣が深い壺状で、高い位置にあるので、残念ながら雛の姿は撮影できませんでした。それで、お蔵入りになっていたのですが、この機会に写真をアップしました。

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2015年 09月 27日 |
よく水鳥観察をする巨大ため池で、シマアジという鴨の仲間を撮影しました。

シマアジは超珍しい野鳥というわけではありませんが、大阪では、なかなか遭遇しない旅鳥です。シベリア方面で繁殖し、東南アジア方面で越冬します。その渡りの途中に立ち寄るだけなので、短期間しか見られません。つまり撮影タイミングの難しい水鳥です。

昔、食用とした際、とても美味しかったことから和名シマアジと名付けられたそうですが、もちろん私は食べたことはありません。

今回見た個体は、コガモの群れに混じって見られたシマアジの雄の若鳥1羽で、ちょっと地味な感じでした。(雄成鳥の夏羽が綺麗なのですが、私は夏型はまだ未見です)

↓最初、遠くに見つけました。
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↓飛んだ瞬間です・・・
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遠くを飛び回ってまた戻ってきました。

↓そして近くの浅場にやってきて、毛づくろいをはじめましたので、たくさん撮りました。
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↓毛づくろいが終わると、じっと休憩です・
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↓下にシマアジ、そのむこう上に嘴の黄色いのがバンで、地味なグレーの鴨がコガモです。
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いよいよ、秋冬の水鳥シーズンが始まりました。
すでにオナガガモやコガモが見られます。その他の冬鳥もそろそろ帰って来つつあります。
これからが楽しみですね。

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2015年 09月 24日 |
ザグロス山脈を越えていくルートは、峨々たる山々を撮影するチャンスです。
長距離移動になりますが、荒涼たる山姿の車窓風景が展開するので、私は全く退屈しません(笑)

ザグロス山脈は近くで観察すると点々と低い薄緑の草があり小さな花々が咲いているのですが、全体を見ると荒涼たる山々が連なり、緑あふれる日本の山脈とは全然違います。

↓ヤズドから山に入るとバスの車窓からザグロス山脈が見えてきます。
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↓手前にこんもりと見える土のかたまりがカナート(地下井戸)で、数十キロ先のヤズドに水を送っている地下水路です。そのカナートの後方には険しい山がそびえています。
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↓国道のすぐ側に切り立った岩峰があります。
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↓量感のある山もあります。
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↓岩が落ちてきそうな雰囲気です。
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↓孤木 ~ごくたまに見える木も寂しそうです・・・
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↓穴の開いたように見える巨大な山
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↓シルエットでザグロス山脈を撮ります。
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↓バラのむこうの山々
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↓迫力の岩肌
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↓なだらかな山もありますが緑がありません・・・
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↓日本に持ってきたらロッククライマーが集結するような山ですね・・・
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↓時折、花があると、背景に山を配して写真を撮りたくなります。
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なお、ザグロス山脈の最高峰は現トルコ領内のアララト山(5,165m)で、ノアの方舟伝説で有名な聖山です。
イラン領内でもザルド山(4,548m)という高い山があるそうです。
通常のバスルートはザグロス山脈内の低い峠を通るのですが、それでも標高2000mはありますので、存分に景色を楽しめます。

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2015年 09月 21日 |
いつも野鳥や昆虫を観察している近所の公園で、キノコが大発生しました。

今年、8月下旬から9月中旬にかけて、天候不順で雨が多かったせいだと思います。

特にキノコを研究しているわけではありませんが、これだけキノコが大発生するのは当地では珍しいので、記録しておかねばと、公園のキノコをいろいろ撮影してみました。
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キノコも生き物です。光合成をしない菌類ですが、自然の生態系のサイクルの重要な部分を担っている存在です。(最近の分類学研究では、菌類は植物より動物に近いそうです)
今年は身近な公園で、興味深い姿をたくさん見せてくれました。

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2015年 09月 18日 |
「たびねす」に、私のイラン考古学博物館のガイド記事がアップされました。
歴史の教科書にも登場する有名な出土品もありますので、ぜひ、お読みください。
どうぞよろしくお願いします。

(20)イラン考古学博物館でペルシアの美の真髄に触れよう!
http://guide.travel.co.jp/article/12680/





さて、前回ブログ記事に関し、著作権切れの『夜明け前』の文章データについて、何人かの方から御質問を受けました。そこで、ご存知の方も多いとは思いますが、著作権切れデータの読み方について簡単に書いておきます。(写真は再掲です)
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著作権は、著者没後50年を経過すると消滅し、誰でも著書を自由に利用できます。
そこで、インターネット上には、過去の名著などが、フリーテキスト(無料電子書籍)ということでデジタル化され、誰でも読める形で公開されつつあります。

無料電子書籍の主なサイトは、近代デジタルライブラリー、青空文庫、プロジェクト杉田玄白、うわづら文庫といったところです。
中でも青空文庫は、対応する公開形式が豊富で、作品数が多いので、一番のおすすめです。(現時点で、青空文庫収録作品数は、13269件です)

利用方法は簡単で、Googleなどの検索サイトで、例えば「青空文庫 夜明け前」と検索すれば良いのです。
また、青空文庫のトップページからは、作家別・作品別・分野別の検索もできます。
こうして得られた画面上のテキストデータを、コピー&ペーストして、前回のブログ記事に利用させてもらいました。(したがって、引用する際は、いちいち打ち込む必要はありません)
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検索またはダウンロードした本のデータは、もちろんパソコンや汎用タブレット、スマートフォンなどで読めますが、専用の電子書籍リーダーの利用が、最も読みやすいです。専用機なので目に優しく、利用法も単純で、パソコンのように将来的な陳腐化という現象も起こりにくいです。

専用の電子書籍リーダーには、アマゾンの Kindle、楽天の kobo、ソニーの Readerなどがあります。
使い勝手は各社そんなに変わりません。機能が増えると値段が高くなるのは各社共通で、お好みで機種を選べば良いのです。
私的には、無料の青空文庫や有料でも一般的書籍を読むだけなら、各社の下位機種で十分だと思います。(旧型の kobo Touch なら今6000円程度で購入できます)
電子機器マニアや、有料の最新電子雑誌を頻繁に購読するようなヘビーユーザーなら、新しい上位機種が必要でしょうが・・・

↓kobo
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私が使用しているのは、古い kobo です。
これは某写真コンテストで賞を受けた際の副賞としていただいたもので、今では旧機種になっていますが、まったく問題なく楽しんでいます。
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ネット有線環境でパソコンを利用の方でも、koboで電子書籍を読めます。つまりWi-Fiを使わなくても青空文庫を利用できるので、新たに無駄な通信料を支払う必要はありません。

最初にkoboデスクトップアプリをパソコンにインストールしておけば、その「ストア」ボタンから楽天のサイトにアクセスし希望する青空文庫を選んで無料購入できます。あとは、付属のUSBケーブルでkoboを同期すれば、koboにデータが落とし込まれ電子書籍が読めます。(セッティングの詳しい方法は、こちら

↓私のkoboデスクトップアプリのパソコンでの画面のごく一部です。
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私の場合、現在は、近代文学を中心として約100冊ほどをkoboに入れています。近代古典文学が割と好きなので青空文庫はとても役立ちます。(翻訳本の場合は、著作権は訳者の死後50年になりますので、青空文庫に翻訳本はまだ少ないです)
河口慧海『チベット旅行記』などの旅行記や、寺田寅彦『花物語』などのエッセイも入れています。
これだけの量の本を紙で持ち歩くのは不可能ですから、非常に便利です。
日常の電車での移動や、旅での飛行機中や乗り換え待ち時間などでも、koboで読書を楽しんでいます。
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紙には紙の優れた点があります。家で本格的に本を読み込む場合は従来型の紙製の書籍の方が優れています。装丁などを含めた「本」の存在感のあり方は電子書籍ではとうてい味わえないものです。
また何より、自分の専門的な分野では、ほとんど電子化した本はありません。

しかし、自宅の書棚がもう一杯なので、古い本の処分も喫緊の課題であるのも事実です。
そこで、無料で手に入る、著作権の切れた近代古典文学類は、なるべくペーパーレス化=電子書籍化していき、必要に応じて、koboで読むようにしています。(蔵書書棚がネット上の青空文庫で、個々の本が kobo という感じでしょうか)

前回ブログ記事で引用した島崎藤村や夏目漱石といった有名文豪は電子化されていますので、必要に応じてダウンロードして kobo で読みます。
いっぽう、谷崎潤一郎など著作権が切れていない又は切れたばかりの作家は電子化されていないので、古い紙の単行本で読みます。村上春樹などの生きている現代作家の作品は、有料電子化発売されたものもありますが、やはり紙の単行本のほうで読んでいます。

なお、電子出版しかしていない本や雑誌もあります。私はあくまで紙と電子の併用ですので、電子書籍オンリーというわけではありません。電子出版だけの本を購入する必要性は感じていません。
あくまで、現時点では、紙の単行本が主で、電子本を従とする、使い分けです。
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現在の時点における、電子書籍リーダーのメリットを並べておきます。

(1)著作権切れのものは無料で読める。
    ただし、著作権切れのものでも、電子化されていないものは読めません。
    専門書やマイナーな本はまだまだ電子化されていないというのが実情です。
    いっぽう、紙製の単行本は、著作権切れのものでも有料で購入しなければなりません。
    人の手垢がついたものでよければ、紙製の本は図書館で借りて読むという有力な方法があります。

(2)著作権のあるものも一部無料あるいは廉価で読める。
    著作権と関係なく「自由に読んでもらってかまわない」という本も多くあり青空文庫で無料で読めます。
    ただし、青空文庫にある著作権の切れていない作品については、私的使用以外は禁止です。
    
    一般的に紙の書籍より電子書籍の方が安価あるいは内容豊富です。
    例えば話題の村上春樹『村上さんのところ』は、単行本と電子書籍が発売されています。
    値段はほぼ同じですが、電子書籍版は単行本の8冊分のボリューム内容となっています。

(3)文字・改行スペースを自在に大小にできる。
    電子書籍リーダーなら自分の好きな文字の大きさや改行表示が可能です。
    これは高齢者や視力に問題のある方にとっては非常に良いことです。
    私自身も、最近は少し老眼になりつつあるので、koboの文字拡大機能はありがたいです。

(4)省スペース化が図れ、持ち運びも便利
    私の古いkoboでも、現在100冊ほど入れていますが、まだまだ数倍以上容量に余裕があります。
    1000冊以上の電子書籍が入る書籍リーダーもあります。
    外出・旅行などには数百冊を手軽に持って歩けるわけで非常に便利です。
    もちろん、電子書籍の入れ替えも容易です。
    ネット上に蔵書書棚あるいは本屋があると考えれば可能性は無限に広がります。
    ただし、高精細の写真など容量の超大きいコンテンツを入れると途端に容量が減ります。
    電子書籍リーダーは文章による作品を主とするのがベターです。

(5)絶版が起こらない。
    紙の単行本では発売部数に限りがあり絶版という現象が起こります。
    電子書籍は一度デジタル化されれば、理論的には絶版は起こりません。
    ただし、将来的に電子データの消失や消去といった事態が全く無いとはいえません。

(6)いつでもどこでも容易に入手できる。
    インターネット環境さえあれば、24時間いつでもどこでも電子書籍を入手できます。
    そして、すぐに読むことができます。
    いったん電子リーダーにダウンロードすれば、ネット環境に関係なく、どこでも読めます。
    
(7)劣化しない。
    紙の単行本は、黄ばんだり、破れたり、手垢・水などで汚れたり、徐々に劣化していきます。
    電子書籍は何十年たっても、同じ品質で読むことができます。
    ただし、電子書籍リーダー自体には寿命があり、落下したりして壊してしまう可能性もあります。
    電子データはネット上にもありますので復旧は容易で、内容そのものは劣化しないのですが、、、

(8)高度な利用も可能
    音声読み上げ機能や辞書機能もあり、ハイパーリンクを使ったジャンプもできます。
    つまり「電子ならではの仕掛け」もあります。
    電子しおりを挿入したり、書き込みメモ機能というのも可能です。
    読書の幅が広がるとも言えますが、ネットサーフィン的な利用が読書と同じものとは言えません。
    また、さらに進んだ、計算編集機能など、あまりに高度な応用的利用は疑問です。
    そうなると、専用リーダーというより、汎用のパソコンあるいはタブレットと同じになってしまいます。
    将来的には、スマートフォンと小型パソコンの境界に埋もれてしまう可能性もなきにしもあらずです。

    私は、専用電子リーダーの場合、シンプルな読書機能さえあれば十分だと考えます。
    読書途中に電話やメールが飛び込んくるスマートフォン的機能はまっぴら御免です(笑)

    
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アルファベット文化の欧米では書籍の電子化が容易なため、専用リーダーが大きく普及しています。
日本では、特異なガラケーやスマートフォン文化のほうが発展しており、専用リーダーの広がりはまだまだのような感じがします。

私自身は、上記で説明したように、紙の本を主としながら電子書籍を併用して使い分けています。
紙と電子は一長一短があります。現在はまだ紙の本のほうが優位性を持っていると思いますが、「本離れ」という現象が起こっていると聞きます。そういえば、町の小さな本屋さんというのは少なくなりましたね・・・

音楽関係では、かつて普及していたレコードどころか、最近はCDの売上も落ち込んでいます。これはひとえに音楽データの配信・ダウンロードという形の普及によります。
単行本の書籍もCDのようになってしまうのでしょうか?

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2015年 09月 15日 |
平谷村からは、近くの南信州観光スポットにも行ってみました。そのひとつが馬籠です。

馬籠は、かつて中山道木曽路の一番南の宿場町として栄えました。
最近まで長野県の木曽郡山口村であったのですが、2005年の平成の大合併で、岐阜県の中津川市に越県合併しました。
以前ここに来た時は長野県でしたが、今は岐阜県になっており、不思議な気がしました。

もちろん、島崎藤村の畢生の大作『夜明け前』の舞台です。
主人公の青山半蔵は、島崎藤村の父がモデルで、馬籠の本陣・庄屋を務めました。

『夜明け前』は幕末から明治初期にかけて生きた人の姿をリアルに描いた名作で、当時の庶民の生活が活写されています。また、変革期における人間の希望と失意を描いた歴史小説でもあります。

ということで、今回は趣向を変えて、著作権切れとなった島崎藤村『夜明け前』の文章データを引用しながら馬籠の写真を紹介させていただきます。



「木曾路はすべて山の中である。あるところは岨づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた」(島崎藤村『夜明け前』第一部)
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「この道は東は板橋を経て江戸に続き、西は大津を経て京都にまで続いて行っている」(島崎藤村『夜明け前』第一部)
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「木曾十一宿はおおよそ三つに分けられて、馬籠、妻籠、三留野、野尻を下四宿といい、須原、上松、福島を中三宿といい、宮越、藪原、奈良井、贄川を上四宿という」(島崎藤村『夜明け前』第一部)
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「美濃方面から十曲峠に添うて、曲がりくねった山坂をよじ登って来るものは、高い峠の上の位置にこの宿を見つける。街道の両側には一段ずつ石垣を築いてその上に民家を建てたようなところで、風雪をしのぐための石を載せた板屋根がその左右に並んでいる。」(島崎藤村『夜明け前』第一部)
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「梅の花匂はざりせば降る雨にぬるる旅路は行きがてましを   半蔵」(島崎藤村『夜明け前』第一部)
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「ちょうど鳥屋のさかりのころで、木曾名物の小鳥でも焼こうと言ってくれるのもそこの主人だ。鳥居峠の鶫ツグミは名高い。鶫ばかりでなく、裏山には駒鳥、山郭公の声がきかれる。仏法僧も来て鳴く」(島崎藤村『夜明け前』第一部)

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「九つ半時に、姫君(皇女和宮)を乗せたお輿は軍旅のごときいでたちの面々に前後を護られながら、雨中の街道を通った・・・・・供奉の御同勢はいずれも陣笠、腰弁当で、供男一人ずつ連れながら、そのあとに随したがった・・・・これらの御行列が動いて行った時は、馬籠の宿場も暗くなるほどで、その日の夜に入るまで駅路に人の動きの絶えることもなかった」(島崎藤村『夜明け前』第一部)
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「将軍上洛の日も近いと聞く新しい年の二月には、彼は京都行きの新撰組の一隊をこの街道に迎えた。一番隊から七番隊までの列をつくった人たちが雪の道を踏んで馬籠に着いた」(島崎藤村『夜明け前』第一部)
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「檜木、椹、明檜、高野槇、ねずこ――これを木曾では五木ごぼくという。そういう樹木の生長する森林の方はことに山も深い」(島崎藤村『夜明け前』第一部)
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「元治二年の三月になった。恵那山の谷の雪が溶けはじめた季節を迎えて、山麓にある馬籠の宿場も活気づいた。伊勢参りは出発する。中津川商人はやって来る・・・・毎年の例で、長い冬ごもりの状態にあった街道の活動は彼岸過ぎのころから始まる。諸国の旅人をこの街道に迎えるのもそのころからである」(島崎藤村『夜明け前』第一部)
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「そうだ、われわれはどこまでも下から行こう。庄屋には庄屋の道があろう」(島崎藤村『夜明け前』第一部)
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2015年 09月 12日 |
平谷村にはコンビニもスーパーもありません。人口が約500人の村なので、店としてやっていけないのでしょう。一番近いコンビニは、クルマで30分の昼神温泉にあります。

道路は整備されていますので、生活にはクルマが必須です。観光でも、クルマがあれば割と楽しめます。
そこで、平谷村に滞在中、時々、クルマで近隣の村や観光地にも行ってみました。そんな場所を、今後、少しずつ紹介していきます。今回はすぐ近くの信玄塚です。


平谷村の南隣には根羽村があり、そこに武田信玄終焉の地とされる「信玄塚」があります。
根羽村横旗という地名で、日本史好きには必見のスポットでしょう。
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武田信玄は、天下を取るべく上洛の途上、病が重くなり、三河から信州伊那を経て甲斐へ帰ろうとしましたが、元亀4年(1573年)、陣中で死去しました。

信玄終焉の地には以下のとおり諸説あります。
(1)駒場説:『当代記』『御宿監物の長状』による。
(2)波合説:『徳川実記』による。
(3)平谷説:『三河物語』による。
(4)根羽説:『甲陽軍鑑』『熊谷家伝記』による。
(5)田口説:『野田城記』『野田実録』による。

このうち(1)と(4)が有力ですが、(1)については、駒場に信玄の遺体を火葬したとされる場所(長楽寺)があることが大きな根拠になっています。
しかし、実際はその少し前に死去し、それを隠して遺体を運び駒場で火葬したと考えると(4)が有力になってきます。
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最近の歴史家はあまり話題にしないようですが、信玄終焉地をテーマとして書かれた唯一の現代研究書である 『武田信玄終焉地考』 (一ノ瀬義法、教育書籍刊) では(4)の根羽説をとっています。

根羽村横旗にある「信玄塚」供養塔(宝篋印塔)が大きな根拠になっていいます。

「この供養塔は専門家によれば国守・大名級のためのものと考えられ、この地に在ることは信玄の供養塔としか考えられない。また他の候補地には供養塔なるものが存在せず、さらにこの供養塔の設置・保守費用については武田家の重臣高坂弾正家関係から出ていた」

一ノ瀬義法氏は、ライフワークとしてこつこつと南信州を歩き回り、地元の古老などの伝承を詳しく調査し、結論を導き出しています。優れた研究書だと思います。
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私は専門家ではないので、結論づけられませんが、確かに「横旗」という地名は意味深ですね。
武田軍一行は、この終焉の地を横切る際は、弔意を表して旗を横にふせて通ったことから、この地を「横旗」と呼ぶようになったという伝承があります。
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↓宝篋印塔
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確かに、風格と歴史を感じさせる供養塔でした。
このあたりで、西上の夢半ばにして武田信玄が他界したのか・・・もし信玄がここで死去せずにもう10年生きていたら、日本の歴史が大きく変わっていたでしょうね・・・
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↓すぐ近くの道路には、横に傾けた「風林火山」の旗が描かれており、「横旗」伝説を表現していました。
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信玄は自身の死を隠すように遺言したので、その死の地について諸説が生まれたようです。
ひとつの歴史ミステリーとして考察してみるのもまた一興です。

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2015年 09月 09日 |
ヤズドから南西へ、ザグロス山脈を越えていくルートは標高2000m前後の高原地帯を通ります。

半乾燥の土漠高原で不毛の荒野のように見えますが、詳しく観察すると、あちこちに花が咲いているのです!
決して砂漠ではありません。

ザグロスの高原は、雪解け水を得て、5月上旬は温度が上がり、花のシーズンとなります。
高い木や密集した森がないので、日本で言えば高山植物帯のようなものです。
低い草木が点々と生え、いろいろな花が咲いています。

↓それでは、まず作品風に撮った花の写真を2枚
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さすがにイランの野生の花については、なかなか正確な種名は分かりませんが、以下、ザグロス山脈の花図鑑を御覧ください。

↓オオアザミの仲間です。
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↓ヤグルマソウの近縁種です。
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↓ホトトギスのような雰囲気の花でした。
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↓ポピーの一種が束になって咲いていました。
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↓ポピーのアップ
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↓カラシナに似た黄色い花
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↓綿毛がついたような不思議な花
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↓黄色いハハコグサですね、
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↓フヨウのような白い花で葉の形も面白いです。
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↓輪生の白い花
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↓ヨメナに似た野菊の一種でしょうか
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↓全体風景・・・・後方にザグロスの峨々たる山が見えます。
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半乾燥地帯に適応して、深い根を伸ばしているのでしょう。厳しい自然の中に、彩りを添えています。
全体的にやや地味ですが、なかなか趣のある植物たちでした。

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2015年 09月 04日 |
「たびねす」に、私のクロアチア・プリトヴィツェ湖群国立公園のガイド記事がアップされました。
プリトヴィツェの紅葉写真の撮影ガイドでもありますので、ぜひ、お読みください。
どうぞよろしくお願いします。

(19)クロアチア・プリトヴィツェ湖群国立公園の素晴らしい紅葉を撮影しよう!
http://guide.travel.co.jp/article/12344/





さて、ヤズド観光の最後の日、夕刻に中心部のアミール・チャグマーグ広場へ行きました。
ここは、正式には「アミール・チャグマーグのタキーイェ」といいます。

広場にそびえ立つミナレットと大門の風景が、夕日に映えて美しかったので、いろいろと構図を変えて撮ってみました。
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↓大門はペルシア建築のイーワン(開口アーチ門)です。それを下から見上げて撮ってみました。
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タキーイェとは、殉教劇を行う集会所広場といった意味です。
イスラム教シーア派のイランでは、第3代イマームのホセイン殉教の日に、その痛みを追体験するべく鎖や手で自分の体をたたきながら行進します。これが「アーシュラー」と言われる重要な祭りです。

↓右側に写っているのが、アーシュラーの祭りに担がれる「ナフル」という神輿です。
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↓ナフルは巨大な神輿ですね。(重さ5トン・高さ8.5mとのことです)
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↓神輿を担ぐ棒も大きいです。
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このナフルを使ったヤズドのアーシュラーがどんな祭りなのかは、machi-sukeさんのブログの「アーシュラー in ヤズド」という記事を御覧ください。

↓広場の中央には噴水があり、水袋を担いで注ぐ三人の像がありました。
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これは、大切な水を運んで皆に与える像で、民衆の相互扶助の精神を表現しているそうです。
乾燥地帯ならではの素敵な像ですね。
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↓夕方遅くまで、広場では子供たちがサッカーに興じていました。
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ヤズドの写真はまだまだありますが、長くなりましたので、とりあえずヤズドはこれで終了します。
次は、いよいよザグロス山脈を越えて、イラン南部のシーラーズ方面へ向かいます。

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2015年 09月 01日 |
前回最後に掲載しました資料館「夢ひらや」の続きです。

どんな小さな山村でも、その村独特の歴史があり風俗習慣があり誇るべき人の営みがあります。
そうした平谷村の歴史資料を展示しているのが「夢ひらや」です。

お世話になった平谷村の発展のために、一部を宣伝紹介させていただきます。
展示されている農機具等については、懐かしく感じる方もおられるのではないでしょうか。

↓祭りの山車
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平谷村は三州街道(中馬街道)の宿場町として栄えました。

↓中馬の説明展示
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三州街道は中山道の脇道として利用され、馬による物資運搬も発達しました。

↓牛馬具の展示
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↓中馬馬子唄の展示
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↑「根羽や平谷の若衆だよ」とありますように、ここ平谷村や隣接する根羽村の馬子達が活躍したようですね。

↓唐箕(脱穀したあと籾殻や藁屑を風によって選別する器具)
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↓まぶし(収繭具)、かごろじ(蚕を飼う器具)
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↓毛羽とり器(繭を綺麗する器具)
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山村ですので養蚕業が盛んだったようです。
養蚕用具の展示は興味深く見学しました。

↓皆敷つき
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↑展示説明には「菓子や食肉などを包んだ。大カンナで薄板に削って三河方面や飯田方面に出荷した」とあります。
日本料理に使う葉っぱの皆敷というのは今でもありますが、薄板の皆敷というのが昔はあったのですね。いやあ知らなかったです。
水車の力で原木を押し出して削ったそうですが、山村ならではの工具ですね。


↓冬の平谷村を描いた絵
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↓平谷村の歌人:林芋村 の説明展示
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 深雪せる野路に小さき沓の跡われこそ先に行かましものを  林芋村

良い歌ですね。幼き生徒たちへの慈愛が感じられます。

信州には島崎藤村をはじめとして、今思いつくだけでも国枝史郎、新田次郎、臼井吉見、島木赤彦といった文学者系の土壌と伝統があります。
ただ私は、林芋村という方は全く未知でした。「夢ひらや」の展示ではじめてその歌を拝見しましたが、山村の生活が見事に詠み込まれており、とても感心しました。



田舎には田舎の深い文化があります。
冬の平谷村で生活するのは大変でしょうが、ここに生きた人々の文化の誠実さを感じました。

なかなか良い資料館でした。


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