模糊の旅人
mokotabi.exblog.jp
  Top ;Log-in
旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)
2020年 12月 05日 |

旧五輪教会堂は1881年建造の旧浜脇教会を移築したもので、現存する五島最古の教会として国の重要文化財でもあります。(長崎県下でも、大浦天主堂に次ぐ、現存する二番目に古い教会建物)


旧五輪教会堂は、隣接地に新しい五輪教会が建設されたことにより現役教会ではなくなり、解体の話もありましたが、関係者の努力により、市に寄贈され文化財として保護・公開されることになりました。


したがって、旧五輪教会堂は、五島列島にある教会群の中で唯一、内部の撮影が可能な場所です。五島最古の教会の内部撮影が可能ということで、筆者の五島への旅の最大の目的地でした。

ただし、個人では勝手に内部見学できず、あらかじめ予約し、当日は教会守の方に説明を受ける形になります。
予約サイトは こちら「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター」の公式サイト


↓旧五輪教会堂の外観

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08052158.jpg
↓後方から見ると、窓上のポインテッドアーチ以外はごく普通の日本の木造民家のようです。

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08052470.jpg
↓ファサード。前室があるのがユニークです。

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08060590.jpg
↓世界遺産説明看板

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08062873.jpg

↓山手側より撮影

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08072026.jpg
↓十字架

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08074226.jpg
↓前室天井 左上にステンドグラス外側が見えます。

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08080041.jpg
↓内部から見るステンドグラス 前室があるので、光が柔らかいです。

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08080475.jpg
↓靴を脱いで内部に入ります。三廊式の会堂です。

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08085625.jpg
↓ゴシック風の祭壇 両側に小祭壇もあります。このあたりにオルガンがあり五輪真弓さんの父が弾いたのでしょうか・・・

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08091830.jpg

↓主祭壇の中心にある聖ヨセフ像

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08095140.jpg
↓天井が素晴らしい。木製の見事なリブ・ヴォールト天井が見られることに驚かされます。この木製の湾曲した梁構造を明治初期に離島の大工がよく作ったものです。

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08102843.jpg
↓日本家屋そものの外観からは想像もできない教会内部でした。
旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08104439.jpg
↓窓がユニーク。普通は外側に開くものですが、ここは何と引き戸! まさに和洋折衷の工夫ですね。

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08113851.jpg
↑また、窓のすぐ向こうに山崖が迫っています。


↓海側の窓から港がすぐ見えます。本当に狭い僅かな海岸敷地に建てられたものなのです。

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08122090.jpg
↓懺悔室というよりカーテンで仕切られた小さな懺悔コーナー

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08125645.jpg
↓懺悔コーナー外側に神父が座った椅子が・・・

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08125927.jpg
↓古い説明板 額に入って飾られているのが古色蒼然。リブ・ヴォールトのことを「肋骨穹窿」と説明していますが、うーん、日本語のほうが余計に難しくなりますね。

旧五輪教会堂 ~あこがれの五島の島々(3)_f0140054_08143195.jpg
豪華ではないですが木造の良さと素朴さがあり、本当に歴史と信仰が感じられる素晴らしい教会堂でした。期待にたがわぬ場所でした。



教会守の方がいろいろ説明してくれました。この教会守の方は永松さんという感じの良い青年で、前任者の教会守の方が高齢で退職されてから、公募で選ばれて赴任されたそうです。

永松さんによると、来館者は船で横付けする海路利用が8割以上だそうです。海路は効率的ですが、島内をゆっくり見ないので、できれば不便な陸路で一日がかりで来てほしいとのこと。筆者はそれを聞いて、今度来るときは陸路でゆっくりと来訪しようと思いました。


永松さん自身は、福江に住んでおり、朝一番のフェリーで田の浦へ、そこから自転車で福見へまで来て、山越えで教会まで通勤し、帰りは最終便のフェリーで帰るとのこと。台風の時は心配で徹夜寝泊まりすることもあるそうです。


大変熱心で情熱を感じたので、永松さん自身のことを聞いてみると、正式にはNPO法人世界遺産長崎チャーチトラストの職員だそうです。東京の大学で観光地理学を専攻し卒論は「長崎の教会群」。卒業後は航空会社の地上作業員となったのですが、世界遺産に関わりたいという思いが強く移住相談をしたのです。タイミングよく旧五輪教会堂の教会守の募集があり採用され、はるばる五島まで来たそうです。


久賀島は過疎で高齢化しているので、こういう若手の専門家が教会守として管理するのは素晴らしいことです。これからも頑張ってくださいと励ましてきました。とても好感の持てる人柄で、ぴったりの仕事に出会い素敵な人生だと思います。


永松さんは、観光船が離岸するまで送ってくれ、空港で航空機の誘導(グランドハンドリング)をしていた人らしく、両手を上に交差させて、さよならの手を振ってくれました。旧五輪教会の訪問がより印象的なものになりました、感謝です。




<追記>
旧五輪教会堂の前に空き地があり、ここには大きな桜の木が立っていたそうです。ところが、今年の9月の台風9号・10号により倒れてしまいました。筆者が11月に訪問した際は根っこの痕跡だけが残っていました。
幸い桜の木は奇跡的に何もない山側に倒れたので教会堂を壊すことはありませんでした。ただ強風により教会堂の内外部に少し被害がありました。筆者が見学した時には、その被害痕跡はなく見事に修復されていました。永松さんをはじめとする関係者の皆さんの保存努力に敬服するばかりです。
なお、被害時の模様は、教会守の永松さんから情報発信されており、その模様は こちら で見ることができます。





<筆者のLINEトラベルJP記事の一覧はこちらをご覧ください>


にほんブログ村 写真ブログ 旅行・海外写真へ
にほんブログ村 ←応援ポチいただければ嬉しいです。御覧いただきありがとうございます。


by mokonotabibito | 2020-12-05 08:19 | 長崎 | Trackback | Comments(3)
Commented by 3740s at 2020-12-05 11:56
こんにちは
一度は訪れて観たいと思っている九州地域です。
しばらくの間、写真掲載のことを、

ありがとうございます。
Commented at 2020-12-05 12:53
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Lago-7 at 2020-12-05 16:38
唯一、内部の撮影が許されている貴重な教会ですね。
保存状態もいいし、天井をはじめ、窓など見事で、一歩踏み入れただけで、
敬虔な気持ちにしてくれる落ちついた荘厳さがありますね。
何と言っても五島の教会は環境が抜群ですね。
島そのものが俗界から隔たっているような・・・

木造の旧五島教会長年の禁教の試練秘めて遺れり

窓開ければ海一望に渡来せるキリシタン讃美と悲劇を思ふ
<< 五島列島の蝶や鳥など ~あこが... PageTop 久賀島五輪集落 ~あこがれの五... >>
XML | ATOM

会社概要
プライバシーポリシー
利用規約
個人情報保護
情報取得について
免責事項
ヘルプ
Starwort Skin by Sun&Moon