ピレネーの自然シリーズ、山岳・野鳥ときましたので、今回は「蝶」を紹介します。
ピレネーの6月は花が多いので、蝶もたくさん飛んでいました。中でも、撮影して嬉しかったのは、キベリタテハ(学名:Nymphalis antiopa)です。
アジアの東の果てに浮かぶ島国:日本から来た蝶好きの旅人が、ユーラシア大陸の西の果てのピレネー山脈の中で、美しい蝶キベリタテハに再会するとは、なんとも感慨深いものがあります・・・・
厳密に言うと、当然のことながら同じキベリタテハであっても日本のものとヨーロッパのものでは亜種が違います。
キベリタテハのヨーロッパ亜種は、俗称 Camberwell Beauty と言い、やはり美しい蝶のひとつとして評価されています。
キベリタテハは、越冬した成虫が、晩春から初夏に繁殖し、成虫は8~9月頃にやっと発生します。つまり6月くらいに見られるキベリタテハの成虫はすべて冬を越して生きてきたものばかりです。
高山や北の大地という冬が長く非常に厳しい場所で、成虫越冬するとは・・・何か月も雪で埋もれるような環境に耐えるとは・・・どのように過ごしたのだろうか?
飽きずに観察していると、日本のキベリタテハと、ピレネーのキベリタテハの違いも分かってきました。
ピレネーのキベリタテハは日本の亜種よりは、やや色合いが薄く、特に青い斑紋が地味なように思えました。キベリタテハという名のゆえんである、黄色の縁も白っぽく裏側から見ると透き通った感じです。
生態ですが、日本のキベリタテハは、あまり花で吸蜜せず、樹液や熟した果実・糞などに止まることが多いのですが、ピレネーの亜種は、もっぱら花(マツムシソウ)に止まり吸蜜していました。
ついでに、マツムシソウについても書いておきます。
ピレネーのマツムシソウは、非常にポピュラーな花で、ピレネー山中のどこでも咲いていました。
花が目立ち、上に止まりやすいせいか、多くの昆虫が吸蜜に訪れてくるので、よく撮影しました。
日本のマツムシソウは夏から秋へかけてよく見かけますが、ピレネーでは6月上旬に満開でした。花期が早いです。
色は、ピンク系から青紫系まで幅がありました。
日本のマツムシソウ(学名:Scabiosa japonica)とは、亜種というより種が違うのです。
ヨーロッパのマツムシソウは、英名は Bachelor's Button バチェラーズボタンすなわち「学士のボタン」、俗名は Pincushion flower ピンクッションフラワー すなわち「(裁縫用の)針山の花」 ということで、なるほどどちらも雰囲気が出ている名前ですね。。。
↓まさに、針山の花ですね。
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More 写真展のお知らせ
明日、7月2日から7日までの6日間「ブログの輪 写真展」が開催されます。私も、一枚出展いたします。
グループ展で、関西在住の実力者の皆様が多い見ごたえのある写真展ですので、お近くに来られた際は、見に来ていただければ幸いです。
場所は、大阪府大阪市北区東天満2-10-16 MAG 南森町アートギャラリー です。
なお、上記の写真展の案内ハガキは、お送りできます。
ご希望の方は、ブログの非公開コメントかメールで、送付先をお知らせください。
メールアドレスは
aimaimoko777@yahoo.co.jp
です(スパムメールを防ぐため、@を大文字に表示しています)。
どうぞよろしくお願いいたします。
楽しみ方が深くなるのですね。
尤も蝶は少年の頃から親しんで、ほとんど博士の域のようですが・・・
キベリタテハ・・・ちょっと変わった感じの蝶ですね。
羽の色も珍しく、キベリ(黄縁)に沿った青い点々が神秘的ですね。
蝶もさることながら、マツムシソウが気に入りました。
数年前の夏、長野の車山にケーブルで上って遊んだ時、
山頂の小径を散策していたら、このマツムシソウに出会い、とても好きになりました。
水色に近い薄紫の花は、風に揺れ、鄙びた典雅さがありました。
日本のとは厳密に言うと違うとありますが、
花姿も趣きも素人には同じようなもので、いとしさを感じます。
そして蝶は、おいしそうに蜜を吸っていて、荒れた黄ベリがいたいけで、ちょっと切なくなります。
ピレネーのキベリタテハは冬越しの痛めし羽を松虫草に置く