模糊の旅人
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ピレネーの蝶 キベリタテハ
2019年 07月 01日 |

ピレネーの自然シリーズ、山岳・野鳥ときましたので、今回は「蝶」を紹介します。

ピレネーの6月は花が多いので、蝶もたくさん飛んでいました。中でも、撮影して嬉しかったのは、キベリタテハ(学名:Nymphalis antiopa)です。

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キベリタテハは、ヨーロッパから日本まで、北半球の冷涼な地域に分布する蝶です。日本の長野県~岐阜県では、亜高山帯より高いところに分布する蝶の一つで、若き日に山や高原に登って追いかけまわした思い出があります。東北地方から北海道では低山でも見られ、冷涼な気候を好む北方系の蝶として知られています。

アジアの東の果てに浮かぶ島国:日本から来た蝶好きの旅人が、ユーラシア大陸の西の果てのピレネー山脈の中で、美しい蝶キベリタテハに再会するとは、なんとも感慨深いものがあります・・・・

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厳密に言うと、当然のことながら同じキベリタテハであっても日本のものとヨーロッパのものでは亜種が違います。
キベリタテハのヨーロッパ亜種は、俗称 Camberwell Beauty と言い、やはり美しい蝶のひとつとして評価されています。

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撮影した個体は、少し翅が痛んでいます。これは、成虫越冬し一年近く生きてきた個体だからです。苦労して生きてきたんだね、キベリタテハ君!

キベリタテハは、越冬した成虫が、晩春から初夏に繁殖し、成虫は8~9月頃にやっと発生します。つまり6月くらいに見られるキベリタテハの成虫はすべて冬を越して生きてきたものばかりです。

高山や北の大地という冬が長く非常に厳しい場所で、成虫越冬するとは・・・何か月も雪で埋もれるような環境に耐えるとは・・・どのように過ごしたのだろうか?

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キベリタテハの幼虫は、ダケカンバやシラカバのカバノキ類を主たる食草としています。日本でもそうですが、ヨーロッパでも亜高山帯や冷涼な山地に多い樹木ですね。ヨーロッパで「バーチ birch」と呼ばれる木の仲間で、成虫を撮影した6月の時点ではキベリタテハの幼虫が必死でバーチの葉を食べているところでしょう。


飽きずに観察していると、日本のキベリタテハと、ピレネーのキベリタテハの違いも分かってきました。
ピレネーのキベリタテハは日本の亜種よりは、やや色合いが薄く、特に青い斑紋が地味なように思えました。キベリタテハという名のゆえんである、黄色の縁も白っぽく裏側から見ると透き通った感じです。

生態ですが、日本のキベリタテハは、あまり花で吸蜜せず、樹液や熟した果実・糞などに止まることが多いのですが、ピレネーの亜種は、もっぱら花(マツムシソウ)に止まり吸蜜していました。



ついでに、マツムシソウについても書いておきます。

ピレネーのマツムシソウは、非常にポピュラーな花で、ピレネー山中のどこでも咲いていました。
花が目立ち、上に止まりやすいせいか、多くの昆虫が吸蜜に訪れてくるので、よく撮影しました。

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日本のマツムシソウは夏から秋へかけてよく見かけますが、ピレネーでは6月上旬に満開でした。花期が早いです。
色は、ピンク系から青紫系まで幅がありました。


日本のマツムシソウ(学名:Scabiosa japonica)とは、亜種というより種が違うのです。
ヨーロッパのマツムシソウは、英名は Bachelor's Button バチェラーズボタンすなわち「学士のボタン」、俗名は Pincushion flower ピンクッションフラワー すなわち「(裁縫用の)針山の花」 ということで、なるほどどちらも雰囲気が出ている名前ですね。。。


↓まさに、針山の花ですね。

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どうぞよろしくお願いいたします。


by mokonotabibito | 2019-07-01 08:07 | フランス | Trackback | Comments(4)
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Commented at 2019-07-01 16:28
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Lago-7 at 2019-07-02 19:40
山へのキャリアが長いと、自然のあらゆるものへの愛が深まり、知識も豊富で、
楽しみ方が深くなるのですね。
尤も蝶は少年の頃から親しんで、ほとんど博士の域のようですが・・・
キベリタテハ・・・ちょっと変わった感じの蝶ですね。
羽の色も珍しく、キベリ(黄縁)に沿った青い点々が神秘的ですね。

蝶もさることながら、マツムシソウが気に入りました。
数年前の夏、長野の車山にケーブルで上って遊んだ時、
山頂の小径を散策していたら、このマツムシソウに出会い、とても好きになりました。
水色に近い薄紫の花は、風に揺れ、鄙びた典雅さがありました。
日本のとは厳密に言うと違うとありますが、
花姿も趣きも素人には同じようなもので、いとしさを感じます。
そして蝶は、おいしそうに蜜を吸っていて、荒れた黄ベリがいたいけで、ちょっと切なくなります。

ピレネーのキベリタテハは冬越しの痛めし羽を松虫草に置く
Commented at 2019-07-03 15:18
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by youshow882hh at 2019-07-04 01:38
こんばんは。ゆーしょーです。
ピレネーでの小鳥や蝶ですね。
キベリタテハというタテハを
初めて見ました。
あまり見かけない蝶ですね。
ポチ♪
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