サプサン号は高速で走行しますが、意外に乗り心地は快適で、ロングレールが使われているので線路つなぎ目のカタンコトン音もあまりしません。
サンクトペテルブルク―モスクワ間は、ほぼ真っ直ぐで、急なカーブもないので、車内でパソコンのキーボードを叩いたり、本を読むこともまったく問題ありません。
とはいえ、鉄道旅の一番の楽しみは車窓風景です。せっかくのロシアの地上を走るサプサン号ですので、ゆっくりと景色を楽しみます。
↓サンクトペテルブルグを出発すると、しばらくは車線区で他の電車などが見えます。
↓車線区を過ぎると郊外の町風景です。
↓そして白樺の森が広がります。
森が途切れると、沼地や原野が広がり、荒涼とした冷帯の景色が連続します。
日本のように起伏に富んだ地形はなく、高い山や深い谷はありません。どこまでも広い平原と森のいわゆるタイガで、日本では見られない景観ですので、これがロシアの大地なのかと実感します。
景色の変化は少なく、単調です。
日本やスイスの山岳を走る鉄道のようにスペクタクルな景色が展開するわけではありません。
どこまでも疎林と原野が続きます。シベリア感があります・・・
時折、町や湖に面した集落が見え、なぜかほっとします。
ロシアの田舎の家屋は木造で赤っぽい屋根が多く、良い雰囲気です。
これを見ると、サンクトペテルブルグやモスクワの石造りやコンクリートの巨大なビルの大都会世界は、広大なロシアでは特殊な世界だと思われます。
ほとんどのロシアの大地は、車窓から見えるような大いなる田舎の世界なのです。
↓大きな川があり、鉄橋を渡りました。ここはとても良い景色でした。
↓途中の停車駅です。
↓駅のホームに蒸気機関車が展示されていました。
↓高緯度で日が短いので、途中で西の平原に夕日が沈みます。
↓車窓から撮影した湖に沈む夕日です。とても感動的でした。
暗くなってしまうと、もう窓の外の写真は撮れません。
↓一枚だけ車内スナップ
↓そろそろモスクワが近づいてきたようです。車内電光表示です。
モスクワは恒常的な交通渋滞に悩まされており、飛行機で移動してきても、飛行場から都心への移動に非常に時間がかかる場合があります。
その点、サプサン号の到着駅であるモスクワのレニングラード駅は都心にあるので、サンクトペテルブルグからのモスクワへの移動に最適です。
サンクトペテルブルグでエルミタージュ美術館を観光して、次はモスクワ都心観光というロシアの二都を結ぶ旅行にピッタリでしょう。
↓モスクワのレニングラード駅に到着しました。
夜に到着すると、ホームはしっとりとした雰囲気でした。
↓モスクワのレニングラード駅の外観です。この駅舎は1849年に建てられた由緒あるもので、ライトアップされていました。
この駅は、クレムリン大宮殿や兵器庫の設計で有名な建築家コンスタンチン・トーンが建設しました。
当初、ニコライ1世がサンクトペテルブルク―モスクワ間の鉄道敷設を決めたところからニコライ駅と呼ばれていました。ロシア革命後に10月駅になり、1937年からレニングラード駅となりました。
今は、レニングラードはサンクトペテルブルグに回帰したのですが、レニングラード駅の名前はそのままです・・・
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ロングレールなら音もなく静かでしょうね。
日本の在来線はカタコトン、カタコトンと音を立てて走ります。
あの音が好きという人は結構多いですね。
動輪が5つもある蒸気機関車を初めて見ました。
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ロシアのそれは、美しさには欠けるけど、ロシアなりに自然はやはり興深いです。
日本の車窓に民家が途絶える事はありませんが、ロシアは行けども行けども大地なんですね。
超高速の車窓から、ずれこまないで、素敵な写真がよく撮れましたね。
特に気に入りの風景に歌を寄せてみました。
車窓には白樺林うち続く枯れ色となりしロシアの大地
冬空を映せる川の蒼蒼と流るる見れば尽きぬ旅情よ
平原に冬の夕日の落ちゆけり茜のしらべ湖(うみ)に湛へて
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