オルセーにある『地獄の門』は、ロダンのオリジナル石膏原型です。
ブロンズ彫刻は石膏原型から鋳型を取りブロンズに鋳造するため、複製が可能です。東京国立西洋美術館にもブロンズの『地獄の門』があります。
↑ 中央上方に見える、有名な「考える人」は、この『地獄の門』の中のものが本来めざされた完成作ですが、ロダンは『地獄の門』から気に入った像を、単体にして独立した作品にもしました。
そこで「考える人」の拡大像や縮小像も作られ、世界中に「考える人」が存在することになりました。
この『地獄の門』は、新しい装飾美術館のため国からロダンが製作依頼を受けて取り掛かったものです。現在、オルセー美術館がある場所が装飾美術館に予定されていたのですが、結局その計画は頓挫し、ロダン自身も創作に時間がかかり、終生手元に置いたものの未完に終わりました。
ダンテ「神曲 地獄篇」からテーマを取り作られはじめたこの大作は、その後、ボードレール文学の影響も受け、200体もの大小の人物がひしめき合うものとなりました。ロダンにとって、『地獄の門』は、彫刻創造の坩堝、実験場であったようです。
↓『バルザック』 石膏
フランス文芸家協会から依頼された文豪バルザックの記念像を、ロダンは苦労して七年もの歳月をかけ、最後の大作として完成させました。ロダンはこの作品を完成するために、日本の達磨の陶器立像も研究したそうです。
しかし、この彫刻は非常に評判が悪く、世間から失敗作と酷評され、文芸家協会はバルザックの名誉を損なうとの理由で引き取りを拒否しました。当時のスキャンダルであるドレフィス事件にも重なっていたため、ロダンはこの作品を自邸に持ち帰りました。
ロダンは、このバルザック像を「私の生涯の帰結であり、美学の根本だ」と語りました。
ロダンの死から19年後、再評価され、パリ市民の募金によりブロンズに鋳造され、モンパルナスの中心に、このバルザック像が設置されました。台座には、「バルザックに捧ぐ、ロダンに捧ぐ」とあります。
今は、このバルザック像は、「最初の近代彫刻」と呼ばれています。ブロンズ像は、「ロダン美術館」にもあります。
日本では、箱根の「彫刻の森美術館」にあります。engel777engelさん から情報をいただきました。ありがとうございました。
←もしよろしければ応援ポチお願いします。ロダンの彫刻は、すごい迫力ですね。メルシーボク。
半年ほど前撮った写真でアップできずにお蔵にしておいたものですが、そのなかに 模糊の旅人さんのオルセー美術館の特集でとりあげられているロダンの「バルザック像」がありましたのでアップすることにしました。。。 ロダン「バルザック像」 ブールデル「弓をひくヘラクレス」 ヘンリームーア「母子像」 サン・ファール「ミスブラックパワー」 ... more
あっ!と思ったら、やっぱり「考える人」だったのですね。ここから
独り立ち(像は座ってますが・・・^^;)した訳ですね。
東京に行くことがあったらブロンズのものも是非見てみたいです。
そうなんですよ。
とても独創的で複雑な彫刻でした。
「考える人」も、この一部だったのですよ。
石膏の写真は、陰影が飛びやすく、難しかったです。
ブロンズのほうが、撮りやすいかもしれませんね。
東京でぜひ御覧ください!
200体ですから、確かにスゴイですね。
ロダンは生涯これに手を加え続け、それでも未完に終わったそうです。
本当に、気が遠くなりそうな作品ですね。
ぜひ、東京国立西洋美術館で、ブロンズを御覧ください!
私は絵画に続き彫刻の方もとても弱いのです。
ロダンの 「考える人」 はあまりにも有名ですので知っていましたが・・・
その 「考える人」 の原型は 「地獄の門」 なのですね。
それは初めて知りました。
すごい彫刻ですね。
ポチ♪
ロダンの作品は深い思索のなかから生まれていて、見る者はその深さに
誘う(引き入れる)ところがあるように思います。「地獄の門」 上野で複製を
見慣れていますが、オリジナル石膏原型は初めて見ました。ポチポチ~☆
写真を拝見して、上野の西洋美術館の地獄門は、黒いのにオルセーは
白なんだと思ったのですが、文章を読んで納得です。彫刻は、絵画と違
って、あまり展覧会も開かれませんので、馴染みがあるようでないので
す。日本では、仏像の展覧会はおおいですが・・
私も彫刻は、詳しくないのですが、ロダンからマイヨールにかけての近代彫刻だけは知っています。
「考える人」 の原型は 「地獄の門」 なんですね。
これは東京に行けば見れるので、ぜひ御覧ください。
確かにすごい彫刻で、迫力満点ですね。
ポチ感謝です。
おっしゃるとおりですね。
ロダンの彫刻は、まさに哲学的です。
決して癒される類の作品ではないですが、深く考えさせられる芸術ですね。
上野でブロンズ版が御覧になっておられるのですね。
こちらのほうは、白いので撮影に苦労しました(笑)
ポチ感謝です。
いえいえ、美術館で必死で撮影しましたので、それを楽しみながら整理研究しているだけです。
上野でブロンズ版が御覧になっておられるのですね。
さすがです。
こちらの石膏のほうは、白くて陰影が見難いので、撮影には苦労しました(笑)
現代彫刻は、ロダンからはじまったので、この2作は重要だとのことで、気合を入れて撮影したのですが、自分では納得できない結果でした・・・
いやぁ、勉強になります。ありがとうございます。
背景を知ると実物が見たくなります。
東京での楽しみが増えました(最近は行ってませんが・・・)
ぽちっと!!
ロダンと言えば「考える人」が有名です。
芸術家という人たちは、人間の内面から出る雰囲気も、芸術品にしてしまうのですね。
このバルザック像も、バルザックの内面にある物を表現した傑作だと思うのです。
だけと当時酷評だったのですね。
「考える人」の背景は面白いですね。
勉強になりますと言っていただいて、嬉しいです。ありがとうございます。
この石膏彫刻は、白が飛びやすく、とても難しい撮影でした。
むしろ、ブロンズのほうが、良いかも知れませんね。
ぜひ東京で撮ってください。
ポチ感謝です。
そうですよね。
「芸術家という人たちは、人間の内面から出る雰囲気も、芸術品に・・」
とても的を得たコメントだと思います。
バルザック像も、そういう芸術品ですね。
しかし、当初は、普通の銅像とは、あまりにも違うので、酷評を受けたそうです。
でも、今は大傑作だと言われています。
ポチ感謝です。