模糊の旅人
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2017年 04月 25日 |
福井県立恐竜博物館の1階は、柱のない巨大ドームの中に、44体の恐竜全身骨格などが「恐竜の世界ゾーン」として所狭しと展示されています。

↓照明はスポット的にあるものの、全体的には暗く恐ろしげな雰囲気を出しています。
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↓ 1階から2階へは長いスロープがあり、恐竜の世界ゾーンを見下ろすことができます。柱のないドーム空間に展開する恐竜たちの骨格姿を一望できるスポットです。
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44体の恐竜全身骨格展示というのは、日本最大規模で、世界的にも有数なものですが、個々に写真を並べると気分を害される方もおられると思いますので、その主な写真は More に掲載しました。ご興味のある方のみ、下の  More 恐竜の骨格展示写真 をクリックしてご覧ください。

本文では、ティラノサウルスについて書きます。



ティラノサウルスは、地球史上最強の陸上生物として、あまりにも有名ですが、じっくり観察すると様々な謎があります。

↓骨格展示を見る分かるように、巨大な身体のプロポーション的に異常に顔部分が大きく、後肢(足)も大きいのに対し前肢(手)が非常に小さいのがティラノサウルスの特徴です。
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↓前回載せたものですが、ティラノサウルスの等身大復元模型もご覧ください。
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ご覧のように、ティラノサウルスの顔部は巨大で、横にも分厚く、この顔の形は、口が大きく強靭なことと同時に脳が大きいことを示しています。
体長に関しては、より大きい獣脚類恐竜(スピノサウルスやギガノトサウルス)がいますが、いずれも顔部は細長くて薄い形で、顎の力自体は、はティラノサウルスに比して劣ります。

ティラノサウルスの噛む力は、6万ニュートンとされ、ライオンの2000ニュートン、ワニの6000ニュートンと比べて圧倒的に強力です。
知能もあり集団で狩りをした状況の化石もあり、やはり、ティラノサウルスは、地球史上最強の陸上生物であることは間違いないようです。


1990年に米国サウスダコタ州で発見されたティラノサウルスの有名化石「スー」は、骨格がそろったほぼ完全な化石で、体長は約13m、体重は約6t、年齢は28才程度と推測されています。

何故、このように強大に進化していったのでしょうか? これが一番の謎です。


最も有力な説は、主要な獲物であったトリケラトプス類と巨大化競争で共進化したとするものです。
狩られる側の植物食恐竜トリケラトプスは、ティラノサウルスと同時期同地域に生息し、身体全体を巨大化させ首を守る盾(フリル)も大型化させているのです。

↓福井県立恐竜博物館のトリケラトプスの全身骨格展示
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大型化することで捕食されることを防ごうとしたトリケラトプスに対し、ティラノサウルスも大型化で対処し特に顔部を分厚く巨大化させ噛む力と知能を高めたのです。

ティラノサウルスは、特にトリケラトプスの首の肉が好物だったようで、フリルを噛んで首を引きちぎり食べていたようです。くわしくは、こちら <ティラノサウルスがトリケラトプスを食べる時のガイドライン>



ティラノサウルスの前肢(手)が異様に小さいのも謎です。

↓ティラノサウルスの前肢を拡大撮影してみます。
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恐竜の指は三本指のものが多いのですが、ティラノサウルスの前肢は珍しく二本指です。また太い後肢(三本指)と対照的に非常に小さいものです。

ティラノサウルスの前肢が小さい理由については諸説乱立しています。

(1)二足歩行肉食恐竜として顔部<顎の噛む力>を大きくする方向に進化し、重量バランスをとるため前肢が小さくなった。
(2)強大な顔部だけで捕食するスタイルに進化したので、前肢はほとんど不要になった。
(3)「頭が小さく腕が太い肉食恐竜」と「頭が大きく腕が小さい肉欲恐竜」の両方が生まれ、生存競争で後者が勝った。
(4)起き上がる際に、補助的に前肢を使用した。
(5)爪楊枝のように歯の掃除に使った。
(6)比較して小さく見えるだけで、前肢は切り裂きによって獲物にとどめを刺すための武器だった。


私は上記の(1)説プラス(2)説を支持します。捕食方法と重量バランスをとるための進化が一致したと考えます。
顔を大きくすれば脳も大きくなり動作制御や知能も発達します。そのかわり前肢は小さくし重量を減らしたのではないでしょうか。

少なくとも、ティラノサウルスは強大な顎と歯により獲物をかみ砕いたり引きちぎったりして捕食していたので、ライオンのように前肢を使って獲物を倒し捕食するスタイルをとらなかったのです。



ティラノサウルスは、脳が大きく特に嗅球部分が発達しており、嗅覚がとても優れていました。また、視覚も鋭く、立体視ができる数少ない恐竜のひとつであり、非常に進化した三半規管を持っていることから、運動能力も優れていたようです。知能も高く、ある程度の集団で狩りをしていたとする説が有力です。

ティラノサウルスの姿勢については、尻尾を地面につけず、体をほぼ水平に延ばして活動し、尻尾は水平姿勢の重さのバランスをとるために重要な役割を果たしていました。
昔、考えられていた尻尾を垂らしたカンガルー型の姿勢は否定されています。


また、スカベンジャー(腐肉食者)であったという説も、現在では否定されており、生態ピラミッドの頂点に位置するプレデター(捕食者)であったとする説が認められています。


この他の、ティラノサウルスの体温(恒温性かどうか)、羽毛の有無、走行速度については、たくさんの説があり、まだ決定的な証拠が見つかっておらず、謎となっています。
もし派手な羽毛をまとっていたとすれば、外観の雰囲気が全く変わりますので、興味深いところです。



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More 恐竜の骨格展示写真 
2017年 04月 20日 |
ボーンベッドから上がった1階では、まずティラノサウルス・レックスの等身大の動く復元模型が出迎えてくれます。地球史上最強の陸上生物とされるティラノサウルスの姿は迫力満点で、度肝を抜かれます。
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ここから奥の1階の無柱のドーム空間に、恐竜の全身骨格展示や等身大の恐竜が並ぶジオラマの見事な「恐竜の世界」が広がっています。
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1階ドーム空間の奥にあるジオラマは「中国四川省の恐竜たち」というテーマで設えられており、とても雰囲気があります。
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はるか遠くの夕景の中に見える恐竜たちの姿はジオラマらしい素敵なもので、写真スポットになっています。
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↓ステゴザウルス
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↓ジオラマの端にある巨大な竜脚類の立ちあがった等身大模型は圧巻で、はるか高みの木の葉を食べている瞬間が再現されおり必見。こういう想像を絶する生き物が実際に生きていたことに驚かされます。
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実際に1億年前には、地球上にこのような光景が広がっていたわけです・・・
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日本で発見された恐竜の等身大複製もあります。

↓フクイサウルス・テトリエンシス(イグアノドン類に属する草食の恐竜)
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↓フクイラプトル・キタダニエンシス(獣脚類の肉食恐竜)
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