模糊の旅人
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聖マリア大聖堂  ~細川屋敷跡から真田丸跡地を歩く(3)
2017年 06月 24日 |

前回紹介しました「青刻昆布発祥の地」の碑のある越中公園の南側に「聖マリア大聖堂」があります。
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豊臣時代の細川屋敷のあった敷地すなわちガラシャの住んだ地に現代の司教座教会があるわけです。これは意図されたものではないようで、本当に不思議な縁を感じます。


キリスト教のカトリック玉造教会 であるとともに、カトリック大阪大司教区(大阪府・兵庫県・和歌山県)の司教座聖堂であることから、正式名を「大阪カテドラル聖マリア大聖堂」といいます。

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ここは、1894年に建てられた聖アグネス聖堂を起源としますが戦災で焼失。その後、ザビエル来日400年記念に聖フランシスコ・ザビエル聖堂として再建され、さらに1963年に青銅板葺きの大伽藍として改築され現司教座聖堂「聖マリア大聖堂」となったものです。


大聖堂内部にはイエス・キリストと聖母マリアの生涯を描いたステンドグラスと細川ガラシャの壁画。さらに小聖堂にはフランシスコ・ザビエルを描いた日本的なステンドグラスがあります。いずれも見事なものなので、余裕があれば見学してください。

↓小聖堂のステンドグラス(フランシスコ・ザビエルが描かれています)

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↓大聖堂紹介看板
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↓大聖堂前の広場には、ファティマのマリアがあります。
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↑ファティマとはポルトガルの小さな村で、1917年に三人の羊飼いの子ども達の前に聖母マリアが出現しました。カトリックが公式に承認した奇跡とされています。その情景を再現したのが、この大聖堂前の大理石群像です。


↓聖マリア大聖堂外側正面の右には、大きな細川ガラシャ像があります。カトリック信徒の彫刻家である阿部政義の制作です。

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↓細川ガラシャの画

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細川ガラシャは日本を代表するキリスト教の女性信徒であり、すぐ近くの細川屋敷で壮絶な死をとげました。

ガラシャ夫人の死を知った司祭オルガンティーノは、女性信徒に命じて焼け跡からガラシャの骨を拾わせ、堺のキリシタン墓地に葬りました。細川忠興も妻の死を悲しみ一周忌を兼ねて行われたキリスト教会葬に参列し涙にくれたそうです。


オルガンティーノは、当時京大阪などを所管するカトリックの司祭で、京都に南蛮寺(聖母マリア被昇天教会)、安土にセミナリヨ(神学校)、本能寺の変後は高槻にセミナリヨを建てました。人柄の優れた人物で「宇留岸伴天連(うるがんばてれん)」と日本人から慕われました。伴天連追放令が出ても、非公式に宣教活動を続け、天正遣欧少年使節の帰国時に使節と共に秀吉に拝謁し、再び京都在住を許されました。高山右近を指導し、細川ガラシャに対しては女性信徒を細川屋敷に使わし受洗させました。日本人より西欧人のほうが野蛮だと評価し、日本を愛し日本に生涯を捧げ、1609年に長崎で病没しました。


細川ガラシャの生涯について詳しくは、こちら
ガラシャの供養塔は京都大徳寺の高桐院にあり、大阪の細川家菩提寺である崇禅寺には墓があります。さらに、熊本市の出水神社では祭神の一人として祀られています。
ガラシャの画としては、イスラエルの受胎告知教会にある、長谷川ルカ画伯が描いた『華の聖母子』というモザイク画が有名ですが、それについては【たびねす】受胎告知教会も!イエスの育ったナザレの町を歩こうという記事をご覧ください。



↓大聖堂外側正面の左には、キリシタン大名の高山右近像があります。ガラシャ像と同じく阿部政義の手になります。

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↑高山右近は、三好長慶没後の摂津の混乱の中、下剋上でのしあがった戦国大名の一人で摂津・高槻城主でした。
また、優れた人徳者として知られる敬虔なキリスト教徒でもありました。洗礼名のユストは「正義の人」を意味します。

織田信長や豊臣秀吉につかえ、右近の人柄に惹かれた黒田官兵衛・小西行長・牧村利貞・蒲生氏郷などの戦国大名を受洗させました。高槻では領民に慕われ七割の人がキリスト教徒となったそうです。

細川忠興・前田利家などは洗礼を受けなかったものの、右近の人柄に惹かれ、キリシタンに対して好意的で、細川忠興の妻:細川ガラシャは忠興から右近の噂を聞きキリシタンになりました。

しかし、秀吉の伴天連追放令により、右近は信仰を守るために領地を捨て、小西行長や前田利家の庇護を受けました。さらに、徳川家康のキリシタン国外追放令により、マニラに送られ現地で亡くなりました。右近像は高槻とマニラにもあります。

後世になりますが右近は、ローマ教皇庁により「福者」に認定され、2017年に大阪城ホールで列福式が挙行されました。


↓高山右近の像を詠んだ阿波野青畝の句碑

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「天の虹仰ぎて右近ここにあり」

阿波野青畝は「ホトトギス」同人の俳人でキリスト教徒です。

↓高山右近の紹介看板

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↓品の良い聖母子像

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この近辺から南へ下ると、イエズス修道女会をはじめ城星学園、大阪女学院、大阪クリスチャンセンター、大阪明星学園などキリスト教に関連する施設や学校がたくさんあります。不思議な場所です。

↓城星学園看板

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↓大阪クリスチャンセンター

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↓近辺写真を合成してみました。

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↓道標

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細川屋敷跡や聖マリア大聖堂がある場所から南へ、下り坂になっています。これは、大坂城の南側の空堀のあった地域と考えられます。

もともと、大阪平野に突き出した一本の背骨のような丘陵が上町台地で、その先端に大坂城があります。その地形を利用した大坂城は、南部だけは丘陵地帯で城としての弱点となるので、空堀を造る必要がありました。その際に利用されたのが、自然の浸食谷で、現在の空堀町から空堀通りに続く低地です。

まさに、この堀の北側(城の内側)には細川屋敷跡があり、南側(城の外側)には真田丸があったわけです。ここを歩くと、地形と地名が語る歴史のロマンを感じます。



<たびねす記事もよろしく>
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by mokonotabibito | 2017-06-24 08:06 | 大阪 | Trackback | Comments(6)
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Commented by travelertsubotomo at 2017-06-24 17:25
先にたびねすのガイドを読ませて頂きました。
専門的なご説明がすごいなぁと感じていたところ、ブログの記事はさらに詳しく紹介されていて、専門書を読んでいるような気分になりました。
外国で見かける機会の多い「聖マリア大聖堂」、外国の建築物と違った、すっきりしてモダンな雰囲気と中央のブルーが印象的ですね。
中のステンドグラスも松の枝やお城の石垣がまさに日本の風景で、今まで見てきた外国のステンドグラスとは雰囲気が違っているから見比べるのも面白そうだと感じました。
大阪に、このようにキリスト教に関係する施設が集まる場所があるとは知りませんでした。
模糊さんのように歴史に詳しい方と一緒に散策したら面白そうですね。
Commented by youshow882hh at 2017-06-25 20:43
こんばんは。ゆーしょーです。
5枚目がいい感じですね。
このようなところが、大阪に
あるのですね。
ポチ♪
Commented by Lago at 2017-06-25 23:47 x
本日紹介の聖マリア大聖堂は、訪れた時、大阪のイメージが覆るほどの衝撃を受けました。
と言うと、大阪人に怒られそうですが・・・

教会や修道院の建物、またその内部の設えにとても関心のある私は、
海外や国内のそれらをかなり見て回りました。
海外では特にロマネスク建築を多く見て回り、国内では五島列島にまで出向きました。
そんな体験が土台としてあるので、修復成ったこの聖堂を訪れた時、
ここ独自の意図が鮮明であるばかりでなく、キリスト教の伝統を踏まえながら、
新しい教会の在り方の志向性を感じさせる明るい包容力に、まこと感銘を深くいたしました。
入口を入ってすぐの全体像で、即、それは直感出来るのですが、
写真を撮る事が出来なかったのは、ブロガーとして残念だったと思います。
(海外では、例外もありますが、通常、ノンフラッシュの撮影は許可されているのです)

外観の設えもさることながら、この聖堂の内部は、日本の他の教会とはかなり印象を異にしています。
ともかく広いし、明るい。壁面のかなりの部分がステンドグラス。
長くなるので書けませんが、大阪にいらしたら、一度訪れてみる価値ありの聖堂です。

光受けてステンドグラス鮮やかにわれらを迎ふ聖堂ゆかし

信仰に殉ぜしガラシア百合を手に伏目の面 (おも) は祈るみすがた



Commented by youshow882hh at 2017-06-26 14:25
こんにちは。
ポチ♪
Commented by youshow882hh at 2017-06-27 21:40
こんばんは。
ポチ♪
Commented by youshow882hh at 2017-06-28 21:19
こんばんは。
ポチ♪
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