日本でいえば、さしずめ、ブリュージュが京都で、ゲントは奈良にあたります。
今のゲントは大学とトラムの町です。
ブリュッセルでは地下鉄が便利ですが、ゲントに地下鉄は無く、町中に路面電車=トラムの架線がはりめぐらされており、まさに市民と学生と観光客の足となっています。そこでまずはトラムの乗り方に慣れることです。
私は、地下鉄よりも、地上の景色を見ながらゆっくり走るトラムが好きなので、乗ってわくわく楽しくゲント観光をしました。
私は、以前からゲントに行きたかったのですが、ここ5~6年はゲントの町が大きな全体工事中のため、写真撮影に適さない状態で、トラムも停車駅などがいろいろ変更されて分かりにくく落ち着かない雰囲気との情報を得たので、工事が終わるまで後回しにしていました。
今春にほぼ工事が終了したとのことで、今回のゲント行を主目的とするヨーロッパの旅が実現したわけです。
さて、ブリュッセルからIC(インターシティ特急)でゲント・セント・ピータース駅に到着するところまでは、前回の フランドル紀行(1) で説明しました。
↓ゲント・セント・ピータース駅の中央出口です。(ブリュッセルから来た場合は進行方向に向かって右側の出口)
↓ゲント・セント・ピータース駅の外観です。
上記の写真は、ゲント旧市街を見たあと、いったんゲント・セント・ピータース駅に戻り、駅近くの博物館に行く際に撮影したもので、まだ午後3時30分ごろの景色ですが、日が傾いて、夕刻が迫っている雰囲気でした。
↓下記の写真は、ちょうど旧市街に行くトラムの停車場1番あたりから撮影していますので、駅を降りたらこの写真を撮っているところに向って歩いて来る(ブリュッセルから来た場合は、進行方向に向かって先頭右側方面に歩く)形になります。参考にしてください。
何よりも旧市街に行くには、トラムの1番線に乗るということが大切で、その1番線用停車場を見つけてください。私が行った時には1番と2番が同じところにありました。ややこしそうですが、実際には最も目立つ場所で、とても分かりやすいです。
ただ1番線でも反対方向に乗ってはいけませんので、道を向こう側に渡らないことが肝要です。駅を出て、カーブした道路の手前側が旧市街行きトラムの乗り場です。
トラム1番の Evergem 行き に乗ってください。もし、不安な場合はトラム前方部から乗って運転手に「コーレン・マルクト、OK?」と聞いてください。コーレン・マルクトとは、旧市街の中心広場です。(フランダース・エキスポ行きというのが反対方向になりますので絶対に乗らないように)
↓これがトラムです。(1番線はゲントのメイン路線なので長い連結トラム車です)
さて、トラムに乗るには事前に切符が必要です。車内でも運転手から買えますが割高(2ユーロ)になりますし、混んでいる場合は難しいので、停車場にある自動販売機で買っておくべきです。
↓トラムの切符自動販売機
実はこの自動販売機には新旧いろいろ種類があって、クレジットカードも使えるやつ、紙幣も使えるやつ、コインしか使えないやつ、おつりの出ないやつもあるようです。
一番確実なのは、小額コインを使うことです。自動販売機なら、旧市街までは、1.3ユーロです。(2014年末現在)
ベルギー国鉄の切符と違うのは、特別券を除いて普通は往復切符(return ticket)が無いということです。
切符自体はトラム車内で打刻するまで未使用扱いで、購入時と使用時の日時が違っても使えますので、まず最初に帰り用の切符も含めて、2枚買っておくのが良いでしょう。帰りは混んで旧市街の自動販売機に行列ができたり、場所が分かりにくかったりしますので。
↓私が実際に買って使ったトラムの切符=チケットです。まるでプリペイドカードです。
機械のタイプによって若干違いますが、自動販売機のボタンまたはデジタル文字表示に従って、最短の1-2区間(Zone1-2)を指定し、次に枚数2を指定し、2.6ユーロのコインを投入すれば2枚買えます。これで帰りのチケットも入手して安心です。
トラムに乗る際に、日本と違うのは、乗ってから自分で打刻(刻印)するという行為が必要だということです。(上記のチケットに記載されている大きな矢印は、トラムの打刻用の機械へ差し込む方向を示しています)
ゲントのトラムには車内のドア付近に、黄色い打刻(刻印)用の機械があり、その上部にチケットを差し込むと、いったん吸い込まれて、日時等が刻印されたチケットがまた上部に戻ってきます。(定期などのタッチ式IC用打刻機もありますが、チケットの場合は、上部に差し込み口のあるほうです)
ときどき抜き打ち検札があり、切符に刻印がない場合は高額の罰金の対象になるとのことですので、必ず打刻しましょう。
無事トラムに乗りましたら、車窓風景を楽しみます。
私が行った際には、品の良い大学生のような若者が多くて座らず立っていたので、結構混んでいたのに私はいつも座れました。(晴れた日を選んでブリュッセルからの2回のゲント行のトラム往復利用、合計4度の乗車とも)
ゲントの若者達のマナーが良いように感じました。
↓立っている若者が多い車内風景
以下、トラムの窓のガラス越しですが、車窓風景をご覧ください。
トラムは低床型で、座ると視点が低いのですが、案外景色がローアングルで素敵に感じられて、車窓風景を満喫しました。
ゲントは、現在ベルギー第三の都市ですが、いわゆる新市街にゲント・セント・ピータース駅があるため、トラムはその新市街や大学街を通って、観光すべき旧市街に行く形になります。
ブリュッセルよりクルマが少ないですが、なかなか大きな町ですね。
↓途中の停車場風景
↓旧市街に近づくとお洒落な高級ショッピング街となります。
↓トラムのスピードは遅いので、遠くの人や景色は止まって、近くの人は流れて、面白く写ります。
そして、降りる駅ですが、コーレン・マルクトになります。
まあ、車窓風景を眺めていると、ぐっとカーブして突然聖ニコラス教会の巨大な建物が現れて、コーレン・マルクトに来たことが分かりますが、一応は車内放送や車内電光表示に気をつけていてください。
ただし、国鉄と同じく、ゲントはオランダ語圏で車内放送や車内電光表示はオランダ語だけなので、ちょっと分かりにくいです。電光表示に出る Korenmarkt という綴りをあらかじめ覚えておけば万全です。
語学が苦手な方は、ゲント・セント・ピータース駅からトラムに乗って、8番目の停車駅なので、それを数えていくと良いでしょう。
コーレン・マルクト(Korenmarkt)という車内放送や車内電光表示があったら、日本のバスなどと同じで次駅停車ボタンを押します。 コーレン・マルクトは、ほとんどの観光客が降りる場所なので押す必要がない場合が多いですが、すいている場合は必ず押しましょう。
↓コーレン・マルクトに到着し降りてから、乗ってきたトラムを撮影しました。(1番線のトラムである表示が見えますね)
私はトラムが好きなので喜々として乗りますが、どうしてもトラムが苦手あるいは元気いっぱいの方は、旧市街まで徒歩やレンタサイクルという手もあります。
ただその場合は道順と方向を間違えないようにしてください。地図を携え、トラム1番線のある道に沿って行けば、徒歩で30分~40分くらいだと思います。
あと、ゲント 「CityCard Gent」 (30ユーロ) を購入すると、市内を走るバスとトラムに何度も乗車できます。どれだけ博物館等を回るかによりますが、値段的に微妙なところですね。教会見学や街並み散策の日帰り観光なら CityCard Gent を買うほどのこともないと思います。48時間有効とのことですので、ゲントに連泊されるなら価値があるでしょう。
帰りは、コーレン・マルクトから、1番線の逆方向の フランダース エキスポ 行きに乗ります。乗り場は、来た際に降りた場所の一本西側の道であるVeldstr.の入口近くにあります。(コーレン・マルクト周辺には多数のトラム乗り場がありますので、1番線を確認しましょう)
↓コーレン・マルクト広場からVeldstr.に入ったところにある1番線停車場 フランダース エキスポ 行き の電光表示
以上、ゲントのトラムの乗り方でしたが、他のベルギー各地の都市でも、ほぼ同じなので、今後の記事では他都市でのトラム等の乗り方は省略します。
もっとも、各都市間の切符は相互に使えるわけではありません。例えばブリュッセルの地下鉄のカード切符は、ゲントのトラムには使えません。(都市間によって相互使用できる地域もあるのですが、われわれ外国人観光客には分かりにくいです)
原則として、各主要国鉄駅を降りてから現地でトラムなどの都市内交通機関の切符を買うのが良いと思います。
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相変わらず、世界中を飛び回っているようですね !!
とても参考になります。
私もいつかは。。。
今夜はポチ♪だけで失礼します。
まぁ、慢性金欠症候群を患っているということもありますけど、外国語って読めない・話せない・・・日本語さえ怪しい^^;
でも死ぬまでに一度は海外とやらへ出かけてみとうおます(^^)/
期待以上の親切で丁寧な解説で有難いです。
トラムの自動販売機についてはネットで種々の違う記述があり、いったいどれが本当かと思っていました。新旧のタイプがあるわけか、納得です。知っていると安心、行動に余裕ができどんどんプラスに展開するというのが海外旅行ですね。
ガッテン承知の助、手に取るようによく判りました。これで自分も安心してベルギー旅行に行けます。これからのゲントの写真そじてブリュッセルの写真も楽しみにしています。