模糊の旅人
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借用カメラ NEX-5N で花を撮る! 中編 ~秋の夜長のカメラ談義(6)
2012年 11月 01日 |
昨日に引き続き、借用中のNEX-5Nで撮影した秋の花の写真です。
場所は、花の文化園です。

デジカメのセンサーについてのマニアックな話を読みたい方は、下のMoreをクリックして御覧ください。
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SONY α NEX-5N with Makro-Planar T* 60mm F2.8C Y/C

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先般、「未来世紀ジパング」というTV番組を見たのですが、テーマがデジタルカメラということで、ソニーのRX1などの開発風景が放映されました。
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現在は寡占状態である日本製の高級カメラですが、将来、薄型テレビのようにサムソン等の韓国勢に追いつかれるかという話題で、解説者は、未来予測ボードで「中国・韓国は、未来永劫追いつけない」と言い切り、
高級デジタルカメラは、研ぎ澄まされた日本の技術の集積で、サムソンは絶対参入できないと熱く語りました。

デジタルカメラの心臓部は電子部品なので、液晶TVのように真似されるのではないかという司会者の質問に

「インテル入ってるではないが、高品質デジカメのセンサーにはソニーがたいがい入っている。心臓部をにぎるソニーは、カメラ界のインテルとして君臨していける」
と答えました。

とても勇気をもらえる話でしたが、私は今後ギャラクシーカメラを展開して行くサムソンには、普及型コンデジでは追いつかれるような気もします。

デジタル一眼や、RX1のような高級コンパクトでは日本の技術が突出していますので、当分は世界のトップランナーでありつづけることが出来るでしょう。
また、そういう時代に日本人として生きることが出来て、一カメラ馬鹿としては幸せだと思います。

ただ、一般的なボリュームゾーンであるコンデジの分野は、携帯カメラやスマートフォン系の影響もあり、危ないかも知れませんね。

あと、技術というより経営の問題があります。
家電メーカーの例がありますように、日本のカメラメーカーが、買収されてしまうという可能性もあります。。。

とにかく日本のカメラというのは、現在の日本が誇る産業ですので、各社競い合って、頑張ってほしいです。



この「未来世紀ジパング」の予測が、果たして当たっているのかどうか、今から10年後くらいに振り返ってみると、面白いでしょう。

そこで、この記事をブログに書いてみたのですが、現在のデジタルカメラのセンサーの状況も以下に書きとどめておくことにします。現在の私の頭の整理と、将来のための時代記録になれば良いと考えます。



ソニーのライバルと目されてきたのがパナソニックです。
映像機器の分野では、ソニーとパナソニックが、常に競争してきました。

民生用VTRでは、パナソニックのVHSが、ソニーのβに勝利したのですが、デジタル記録の時代になって、VTR規格自体が無意味なものになってしまいました。
放送局などに使われるプロ業務用のカムコーダ機材では、ソニーが主流のようです。
ただ、キヤノンEOS 5D以降、高画質な動画撮影可能なデジタル一眼が登場し、一部の作品づくりにも使われてきています。


静止画のデジタルカメラでは、光学的な構造は以前とさほど変わっていないものの、画像を受光して記録する部分が、銀塩フィルムから撮像素子+デジタルメディアに激変しました。

デジタルカメラになって、それまで銀塩フィルムのメーカーではなかったソニーとパナソニックが大手として参入してきました。
この二社は、VTRの技術とセンサー製造の電子技術を持っているので、またたく間に、カメラメーカーとしてもシェアを伸ばしました。

また、光学的な精緻な技術を要するデジタル一眼レフに関しても、ソニーはミノルタのαシステムを吸収することより、パナソニックはオリンパスとフォーサーズ規格を共同開発することにより、ノウハウを学び参画してきたのです。

ミラーレス一眼機でも、ソニーとパナソニックは、意欲的に製品を開発してきています。まさにその、ソニーのミラーレス一眼が、NEXシリーズなのです。


ところで、デジタルカメラの心臓部分とされるのが撮像素子(イメージセンサー)です。
撮像素子とは、露光部に到達する光を、フォトダイオードの画素で受けて、デジタル情報に変換するもの=センサーだと考えれば良いでしょう。

撮像素子の種類は多様ですが、2012年現在、主流はCMOS系(Complementary Metal Oxide Semiconductor)のイメージセンサーです。

一般的には各素子毎にカラーフィルタを↓図のように並べてベイヤー(Bayer)配列として、色度合の情報を取得しています。
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御覧のように、緑と赤と青の比が、2:1:1になっており、例えば1000万画素のカメラならば、緑500万画素+赤250万画素+青250万画素の情報から、「補完処理」という技術で、1000万画素の画像情報を生成しているのです。

緑の画素が2倍あるのは、人間の眼の分光感度が緑付近がピークなので、緑の解像度が見かけ上の解像度を向上させるからです。

ちょっといじわるな見方をすれば、このベイヤー方式のからくりは、残り(緑の1/2と、赤の3/4と、青の3/4)の画素の数値は、ダイレクトな実際の情報ではなく、多分こうだろうとカメラが想像した偽の色情報で作られていると言えます。


現在一番主流のソニーのセンサーは、もちろんこのベイヤー方式で、続くパナソニックもキヤノンのセンサーもこのベイヤー方式です。一部、残っているCCDのセンサーも、受光原理はこのベイヤー方式です。

特にベイヤー方式の中でも、フォトダイオードの前面にあった回路を裏面に持って行った裏面照射型CMOSセンサーは、小さなサイズでも高感度なので、コンパクトデジタルカメラや携帯電話・スマートフォンなど幅広く使われています。
裏面照射型CMOSセンサーは、ソニーの得意分野で、多くの他社にも提供されています。一眼では自社開発のセンサーを使うキヤノンでも、コンパクトデジカメには、ソニー製の裏面照射型センサーを使っています。(パナソニックのLX7以降の裏面照射型センサーもソニー製の可能性大)


デジタル一眼は、各社の技術的頂点にある製品なので、注目されるわけですが、ここでもソニーが有力です。
ソニーだけでなく、ニコンやペンタックス、オリンパスも2012年現在は、ほぼソニー製センサーです。

センサーのメーカーを公表する義務はないので、本当に正確なところは分りませんが、ニコンはこれまでも大体ソニー系列のセンサーでしたし、ペンタックスはK20Dはサムソン製だったようですが今はソニー製です。オリンパスは、最初はコダック製でしたが、途中からパナソニック製になり、OM-Dからはソニー製になりました。
結局、デジタル一眼の大手5社では、キヤノンだけが、非ソニーの完全自社製センサーということになります。とはいえ、キヤノンもベイヤー方式なのは同じなので、現在はベイヤー方式CMOSセンサーが全盛の時代と言えるでしょう。


この主流のセンサーに対し、いくつか独自の方式を採用しているカメラがあります。

似て非なる方式なのが、フジフィルムです。
かつて、ハニカムCCDを推進してきたフジですが、最近は、X10やXF1で採用した EXR CMOS、そして X-Pro1やX-E1で採用した X-Trans CMOS に注力しているようです。

↓EXR CMOS の画素配列
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↓X-Trans CMOS の画素配列
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まあ、配列のやり方を変えて工夫しているわけですが、特にX-Trans CMOS では、カラーフィルターの配列を、2x2のRGGBではなく、6x6と大きくする事でローパスフィルターレスでも偽色やモアレを抑えた正確な色再現が可能だとしています。
フジのこの方式が、今後どのように発展するか楽しみです。



次に、原理的に違うのが、ライカMモノクロームです。

CMOSやCCDなどは、画像素子それ自体は輝度情報(つまりモノクロ)しか得られません。
だから、素子の前にカラーフィルターを並べることで、色情報を得ているわけです。
じゃあ、このカラーフィルターを捨ててしまったらどうでしょう?
もちろんモノクロしか写らないわけですが、原理的には、欠けた色情報の「補完処理」も必要なく、もちろんカラーフィルターもローパスフィルターも不要なので、非常に高画質の写真が撮れるはずです。

これを実現したのが、ライカMモノクロームです。

カラーを捨てたということで、潔いモノクロ専用機なのですが、ライカならでは非常に趣味性の高い特殊なカメラであることも事実です。
約80万円という高額でもあり、広く普及するとは思えませんが、一部のカメラマニアに熱狂的に受けそうですね。



最後は、シグマのフォビオン(フォベオン)です。
正式には FOVEON X3 ダイレクトイメージセンサーと呼ばれます。

これまで述べたセンサーは、すべて受光素子を平らに単板式に並べたものばかりです。
それに対し、立体的に、素子の厚み方向 (光が入射する方向) に3層にセンサを配置しているのが、FOVEON X3 ダイレクトイメージセンサーの特徴です。
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考えてみれば、銀塩カラーフィルムは、このようなカラー感光積層構造になっていたわけですから、発想としては珍しいものではありませんが、それを実際にデジタルカメラのセンサーとして実現させたのは凄いですね。

素材としてはCMOSなのですが、構造が独特なので、センサーとしては別枠で語られます。

Foveon X3使用のデジタルカメラは、シグマの一眼レフSDシリーズと高級コンパクトのDPシリーズだけです。(かつて、ポラロイドのx530というコンパクトもありましたが普及しなかった)

シグマによると、「従来のベイヤー配列のイメージセンサーでは演繹補完による画像生成を行なうため、偽色とよばれる実際には存在しない色が発生するが、FOVEON X3 イメージセンサーでは、3原色それぞれのセンサが同じ位置に配置されているため、原理的に偽色は発生しない」とのことです。

確かに、ベイヤー配列のモザイク型素子では、ひとつの色だけが撮像素子に到達し、他の2色はカラーフィルタによって遮断されるわけですから、単位面積あたりの光の量は、FOVEON X3 イメージセンサーのほうが多いはずです。補完による偽色もないので、高画質になると予想されます。

ただ、実際には難しい諸問題もあるようで、現在のところ、マイナーな撮像素子にとどまっています。

私も、このFoveon搭載のカメラを使いましたが、まだ使い勝手に相当クセがあると感じました。

原理的には、精緻な画像が得られるのは間違いないので、これからの展開が非常に興味深いところです。

Foveonが将来どうなるのか、クルマのロータリーエンジンののような存在になるのか、それとも大きな流れになるのか、、、、。

ソニーもキヤノンも、Foveon的な多層センサーを実験的に開発しているのは間違いないので、今後センサーの変化がどうなっていくのか、見守っていきたいと思います。



まあ、センサーの構造がどうあれ、「カメラとしてどんな画が写るか」が、本当は大事なのですが、カメラマニアは、こうした原理的な技術問題を解析するのが好きなので、大きな話題となるのです。

かくいう私も、カメラ馬鹿の一人ですので、興味を持っています。
デジタルカメラに関しては、その黎明期から見てきました。
通算すればまだまだフィルム歴のほうが長い私にとって、フィルムカメラの味も捨てがたく、フィルムカメラが完全に終わったとは思いませんが、現代はデジタルカメラがその隆盛期に達した段階なのは間違いないようです。
産業としても、生活必需品ではないのに、カメラというのは不思議な存在です。さらにデジタル化したことで、他の分野とのつながりが大きく向上し、これからも新しい創造が生まれて来るでしょう。生涯、楽しみながら付き合って行きたいものです。
by mokonotabibito | 2012-11-01 20:01 | 花の文化園 | Trackback | Comments(4)
Commented by youshow882hh at 2012-11-01 20:31
こんばんは。 ゆーしょーです。
おぉ! 私もコスモスを載せていますが模糊さんもコスモスですね。
偶然の一致です。
5枚目はツワブキの花ですよね。
早いですね。 もう咲いているのですね。
今から30年ばかり前、中紀の白崎海岸の岩場に咲いているのを
見てから急に好きになりました。
ポチ♪
Commented by BOOCHAN at 2012-11-01 20:45 x
コスモス、優しくて穏やかで素敵なお花ですよね。
コスモスが咲いているのを見ると、
秋がますます好きになります。
1枚目のお写真も、雰囲気があってとても素敵。
お花は、いいですね(^_-)
Commented by miyatannaotan at 2012-11-01 21:14
すべてのセンサーがソニー製になってしまうのは面白みがないなあと
どうしても憂いてしまいます^^; もちろん味付けは各メーカの技術が
入っているので全く同じというわけではありませんが。
今はFUJIのX-E1がちょっと気になっています。あとはやはりFOVEON
のDP-1 Merrill かなあ。自分の中でちょっと違うセンサーを試してみたい
という気持ちがどこかにあるのかもしれませんね。
Commented by M2_pict at 2012-11-01 21:50
こちらでもNEX-5Nが!
私もオールドレンズ使用をメインに、、、と考えていたら、あらぬ方向へと進みつつあります(^^;

センサーの技術は今岐路に立ってる印象です。
ベイヤー配列にしろ多層構造にせよ、今のままでは済みそうにありません。
なにからなにまで最新を、、、とはいかない懐具合ですが、楽しみではありますね(^^
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