模糊の旅人
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2018年 01月 20日 |

今月末まで、海外取材旅に行ってきますので、ブログ更新も休ませていただきます。

行き先は、地中海西部シリーズの掉尾を飾るものとして、マルタ共和国となります。マルタは小さな島ですので、一つの宿に滞在して、ゆっくり取材するつもりです。
ひょっとして2月の温故斬新写真展用の作品も撮れるかもしれません。



その写真展が迫ってきておりますので、お知らせもしておきます。

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なお、この写真展案内ハガキをご希望の方は、必要枚数をご記入の上、メールまたは非公開コメントで送付先をお知らせください。マルタから帰国後、直ちに送付させていただきます。

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さて、最近、何人かの方から、ブログ掲載写真について、海外旅の使用カメラ機材を詳しく教えてくださいとのメールをいただいております。機材ネタもやらねばと思っていたのですが、旅写真優先で余裕がありませんでした。そこで、この機会に旅カメラを紹介させてもらいます。


このところ私の旅行用カメラ機材は変化しておりません。多分、どれかが壊れるまで、この体制が続くと思われます。


↓メイン機材 カメラ:オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ  レンズ: M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4 IS PRO

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旅では小型でよく写るこの機材セットが決定版で、もう当分の間はこのメインは変わらないでしょう。


OM-D E-M1 MarkⅡ は小型ミラーレス一眼としては秀逸で、使い慣れたオリンパスのカメラなので安心して操作できます(RAWで撮影しておけば最新のアートフィルターも事後適用できます)


M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4 は、高倍率なのに驚くほどよく写るレンズです。焦点距離が換算24mm~200mm相当ということで、旅ではこれ一本でじゅうぶんです。以前のように交換レンズを持って行く必要がなくなりました・・・これは移動しながら撮影する旅カメラとしては非常に助かります。


しかも、このカメラとレンズのセットを組み合わせた場合、カメラ側とレンズ側の手ぶれ補正が協調して効果を高めるシンクロ手振れ補正機能が超強力で、暗い場所でも手持ち撮影が可能になり、旅には最適です。


旅の景観風景やスナップは、もちろん問題なく撮れますが、あえて限界状況的な作品を挙げてみます。


↓メイン機材の使用例(その一) ISO6400 手持ち撮影

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↑スペインで撮影しました。夜明け前のマジックアワーがはじまった瞬間で、肉眼ではほぼ真っ暗に見える状況です。手持ちISO6400で、このくらい撮れれば文句ありません。


↓メイン機材の使用例(その二) デジタルテレコン使用

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↑ポルトガルの田舎町を散歩していたとき突然、可愛いクロジョウビタキが飛んできました。従来なら撮れないところですが、望遠域にズームしてfn1ボタンを押せばデジタルテレコンが効いて換算400mm! 旅先で出会った野鳥や昆虫も瞬時に対応して、簡単に撮れるようになりました。(私はfn1ボタンにデジタルテレコンを割り当てています)


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↓サブカメラ(1) カメラ:Panasonic LUMIX DMC-GM1  レンズ: G VARIO 14-42mm/F3.5-5.6

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旅ライターとしては、失敗が許されないので、カメラが壊れるという最悪の状況に対応できるようサブカメラが必須です。ただ大きなカメラではサブになりませんので小型軽量という条件があります。


パナソニックのGM1は、もう四年近く使っていますが、現在でもμフォーサーズとして最小のカメラで、ポケットに入るコンデジクラスの大きさでありながら、写りも良く便利な機材です。(欠点は操作ボタンが小さすぎる点ですが、これはサイズが極小なので当然のこと。サブカメラとしては私は気になりません)


μフォーサーズ規格のミラーレス一眼ですので、メイン機材のレンズが不調の場合はレンズ交換可能ということでレンズ側サブとしても有効です。
大きなカメラでは不似合いというシチュエーションにも対応できます。ストロボ内蔵というのも便利で、これまで旅のサブカメラとして大いに活躍してきました。小型標準ズームレンズ先端に自動開閉するレンズキャップLC-37Cを付けています。


ごくまれに、メインでカバーできない超広角・魚眼・マクロ・超望遠のどれかのレンズをつけて撮影領域を広げるべくトライすることがありますが、撮影場所の性格が明確であるケースに限られます。



↓サブカメラ(1)の使用例(その一) 内蔵ストロボ使用

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↑トルコ航空の機内食をストロボ一発オート撮影。飛行機内に座ったまま機内食が配られ身動き出来ない状況ですので大きなカメラを出すのは面倒。そんな時はポケットからGM1を出せば解決です。


↓サブカメラ(1)の使用例(その二) トルコのレストランで

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↑期待しないで入った小さなレストランで、美味しそうな皿料理が! これも大きなカメラを出すのは大げさな雰囲気でしたので、ポケットからGM1を出してパチリと瞬撮。一秒あれば良いのです。


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↓サブカメラ(2) オリンパス Tough TG-5

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上記の E-M1 MarkⅡ と GM1 の二台で、旅カメラとしては、ほぼ完璧です。
それ以上のシチュエーションとなると、超広角、超望遠、超マクロ撮影、そして砂漠や水中などヘビーデューティーなレアケースとなります。 


ところが、モロッコでは砂塵舞うサハラ砂漠の撮影予定があり、続く秋田では温泉と雪の撮影がありそうなので、ヘビーデューティーなカメラが欲しくなりました。
折よく、オリンパスからタフシリーズのコンパクトデジカメである新型 TG-5 が発売されましたので、モロッコ行の直前に導入しました。


このカメラは、あえて旧型より画素数を減らし高感度に強くした新センサーを用い、ハイスピードムービー(スローモーション)撮影も可能にした、水中15m撮影対応のタフカメラです。
従来から定評のあるF2.0レンズや顕微鏡マクロ、ライブコンポジット機能、さらにフラッシュディフューザーも使える魅力的なカメラです。


サブカメラの域をこえて、メインカメラの対応できないヘビーな状況でも活躍できそうです。実際、サハラ砂漠や露天風呂でも全く問題なく使用できました。今後も旅写真の可能性を広げてくれるのではと期待しています。


↓サブカメラ(2)の使用例(その一) サハラ砂漠にて

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↑砂塵舞う砂漠の朝。細かい砂が帽子の下の髪や下着にまで入り込んでくる状況です。こんな時でもTG-5は元気に活躍してくれました。その時の作品『赤い砂漠』


↓サブカメラ(2)の使用例(その二) 秋田の露天風呂にて

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↑吹雪の日。露天風呂の入浴客は私ひとり、これはラッキーとTG-5を片手に岩の浴槽へドボン。浴槽に浸かりながら雪を手で触ったりして楽しく撮影三昧です。こういうシチュエーションにはTG-5が最適ですね。(どこまで撮影するねん、カメラ馬鹿ですねえ・・・・)


一般的な飛行機利用で行く取材旅では、小型軽量が必須ですので、上記の E-M1 MarkⅡ をメインとして、状況に応じて GM1 か TG-5 のどちらかをサブとして持って行きます。


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↓その他の撮影中に必要なカメラ関係機材

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↑左側から小型刷毛、小型ブロア、メガネクリーナーです。


大抵のホコリは、刷毛かブロアで取れるのですが、撮影中に取れにくいゴミや雨雪がレンズ先端部(フィルターやレンズ前玉)に付着することがあります。動き回っている最中ですので、レンズクリーニングキットを落ち着いて使用することは出来ません。そこで、応急処置として使用するのが、メガネクリーナー。これを折って中心からクルクル回してフィルターを清掃します。


さらに、撮影中にメディアが満杯になったりバッテリ切れがおこるので、必要と予想される予備メディアと予備バッテリーは、決めた場所に収めて持ち歩きます。


これ以外には、持ち歩きませんが、各カメラ用バッテリー(5~6本)、バッテリーチャージャー、メディア本体(64GBと32GBのSDカード各10枚)を旅用リュックサックまたはスーツケースに入れてあります。


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タブレットパソコンやストレージ(クラウドも含めてのデータ保存機器)については、私は今は使っていません。これは、かつてストレージが故障して撮影データが飛んでしまった経験があるのと、海外旅行の旅先での貴重な時間を、ストレージに転送したりパソコンを操作する時間に費やしたくないからです。電源状態の不安定な外国で、下手に撮影データを触ったり転送したりして事故がおこる危険性もあります。


旅先では、撮影して満杯になったSDカードは空のものと間違えのないよう別にして大切に保管して、そのまま触りません(磁気に接触させないことが最重要)。これが一番単純かつ安全な一時的保存法です。帰国してから外付けHD2台に二重に転送保存し、特に重要なデータはさらにブルーレイディスクに複製保存します。それが終わってから、SDカードを開放して再利用します。
今は、信頼性の高いサンディスクなどのSDカードが安く買えるようになり、64GBが10個もあれば昔のストレージや小型パソコンに匹敵する容量を確保できます。無駄な操作をしないことにもつながり、安全性も確保できます。今のところ、この方法で、データの事故はありません。


以上が、現在の私の「旅」カメラ機材です。



もちろん、車で野鳥撮影や花・昆虫撮影に行く場合は、キヤノンの大きなカメラや超望遠レンズ・マクロレンズ等も使用します。交換レンズもいろいろ持っています。マウントを広げると収拾がつかなくなるので、μフォーサーズ機(オリンパスとパナソニック)とキヤノン機の2マウント制で行っています。
趣味的な味わいを得たい場合は、オールドレンズやフィルムカメラもよく使いますが、あくまでその撮影する被写体が明確である時になります。

撮影したい目的状況に応じた機材をそろえてている・・・つまり、私は機材を飾っておくコレクターではなく、使ってなんぼのカメラ馬鹿です。

参考にしていただければ幸いです。




次のブログ更新は、来月はじめになります。
それでは、皆さん、しばらくのあいだ、ごきげんよう!



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2018年 01月 16日 |

モロッコ史の続きです。
マリーン朝は200年強も続き(1248-1465年)、首都のフェズはモスクや神学校が整備され、モロッコの政治経済文化の中心となりました。
最盛期には現チュニジアからイベリア半島南部までを支配し、文化の面でも大社会学者イブン・ハルドゥーンや大旅行家イブン・バットゥータ(『三大陸周遊記』が有名)が活躍しました。


やがて爛熟したマリーン朝は弱体化し、フェズの住民暴動により滅亡します。預言者ムハンマドの末裔を名乗るシャリーフ政権が短期間成立し、その後、マリーン朝近縁のワッタース朝がフェズを首都として15世紀末から16世紀半ばにかけて支配しますが、その領域はモロッコ北部に限られ、南部は聖者主義のシャリーフやスーフィー(イスラム神秘主義)が地域豪族と結びつき跋扈します。


そうしたシャリーフ系の南部豪族の中から、サアド朝が興隆し、今度はマラケシュを首都としてモロッコ全土を支配します。サアド朝は武断派で強力で、英主アフマド・アル=マンスールはサハラをこえてトンブクトゥ(現・マリ共和国)を征服し、オスマン帝国の西進拡大も阻止し、16世紀半ばから17世紀半ばにかけてモロッコを支配します。


サアド朝が内紛で弱体化すると、モロッコは再び分裂状態となりますが、シャリーフ(預言者ムハンマドの子孫)として尊敬されていた血筋のアラウィー家が勢力を拡大し、17世紀後半にモロッコを再統一します。これが現在のモロッコ王室でもあるアラウィ―朝で、この王朝の首都はフェズにはじまり、メクネス→ラバトと変遷しますが、一貫して北部の平原地帯ラインにあります。

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モロッコの歴史は、イドリス朝以来、預言者ムハンマドのシャリーフ家系を柱に、聖者主義をからませる形で推移してきました。フェズの王朝が爛熟し衰退すると、南部や山岳地帯の武力を持った田舎豪族が聖者主義を掲げて征服を行い覇権を握るものの、やがて都市化してまた弱体化してしまうというパターンです。
このあたりは、すでにマリーン朝時代にイブン・ハルドゥーンが『歴史序説』で「結束力が強い田舎勢力が都市を征服し、都市生活が長くなって弱体化し、新たな田舎勢力に征服される」という歴史パターンを見事に定式化しており、その慧眼に驚かされます。


そうした長い歴史の中で、フェズの町は常にモロッコの伝統的な核として機能してきたのです。日本でいえば、常に上洛の目的地であった京都と同じ役割を果たしてきた町と言えるでしょう。

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その古都フェズ案内ですが、今日は、中心のカラウィン・モスクから必見の観光ポイントであるタンネリです。


カラウィン・モスクをぐるりと回ると下側にサファリーン広場があります。ここは、銅鍋などを製造販売している光景を見学できます。カーンカーンという音が響き、叩き出しの銅製品が作られていきます。

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サファリーン広場を歩いていると、タンネリ(なめし革工場)の案内人に声をかけられます。交渉次第ですが、だいたい5DHから10DHで案内してくれます。


広場の下り方向に向かって左側、異臭のする方へ歩けば道は分かるのですが、どうせ100円くらいですので、誠実そうな案内人を選んでタンネリへ行ってみましょう。まれに、高額な金銭を要求する悪質な客引きがいますので、注意してください。

このあたりにも多くの商店があります。

↓衣料品店

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↓手を振ってくれた女の子  装飾が施された金属製品を売っていました。
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↓これは何屋さん? 銅線のワイヤーのようなものが並べられていました。
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↓フェズ川に下っていく路地

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このあたりから強烈な異臭がしてきました。

↓ここにリヤド(高級民宿)があるようですが、この臭いがきつくて、ちょっと泊まれないなあ・・・

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↓タンネリ・ショワラと書いてあります。ここが見学ポイントの入り口ですね。

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タンネリは正式には、タンネリ・ショワラといい、フランス語で「なめし革工場」という意味。フェズ川の水を利用して昔ながらの手作りの皮革製造業が営まれています。


工場見学は、タンネリの周囲に立ち並ぶ革製品販売店の上階テラスから俯瞰して見る形になり、案内人はそのひとつの商店と契約しているわけです。

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↑円い染色桶がずらっと並ぶ光景は、けっこう強烈なインパクトがあります。悪臭にむせかえりますので、店の入り口で提供されるミントの葉を鼻に詰めたりマスクをして見学しましょう。


このなめし革工場は、500年以上の伝統を誇る公共の施設で、牛や羊、ラクダなどの革が、まず鳩の糞で柔らかくされ、次に様々な自然の染料によって、染め上げられていきます。


↓の写真で、左側に色の無い白い桶が並んでいますが、ここがまず革を柔らかくする鳩の糞の壺桶です。

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↓右側の建物の端に猫が佇んでタンネリを眺めています・・・・この悪臭は気にならないのかなあ・・・・

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↓ズームアップ

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フェズのクライマックスたるタンネリを見た後は、案内された店の革製品を見ることになります。バブーシュという可愛い革製スリッパは、お土産としても最適。お気に入りのものがあれば、タンネリの思い出として購入しましょう。タンネリ見学の入場料がわりともなります。


↓さすがこのあたりは革製品が多いですね。本場なので品質は良さそうです。

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↓バブーシュと猫(この作品は写真展で展示する予定です)

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